2025/11/27 子育て・家庭教育セミナー3
実施日:令和7年11月27日(木)
事業報告
昨年に引き続き、友田 明美 氏 をお迎えし、脳科学の研究に基づいて、マルトリートメント(「マルトリ」)について理解を深め、「マルトリ」を予防するための養育者支援の重要性について学びました。

講師:福井大学 子どものこころの発達研究センター
教 授 友田 明美 氏
【講演】『養育者支援から考えるマルトリートメント予防』
■「マルトリートメント」(マルトリ)とは
「大人から子どもへの良くない関わり」のこと。虐待とまではいえない良くない関りも含む。
★全国の児童相談所のマルトリ対応件数…30年間で199倍
【マルトリの影響】
・健康や寿命に影響。健康を害して早世のリスク。寿命が20年低下!
・IQが伸びにくい。
・脳が傷つき(物理的に変化し)依存症など精神疾患の発生因子に。
・愛着障害。早期の支援や介入。「褒め育て」で愛着(アタッチメント)を再形成。傷ついた脳を回復させる!
・成長後のトラブル(うつ病、アルコール依存症、自殺企図、薬物乱用など)の低下。
・医療費の削減にもつながる。
〇虐待の中でも強い体罰は脳の前頭前野に影響し、犯罪抑制力を低下させ、非行につながる傾向も。
〇子どもにデジタル機器を与えてのながら育児は親子のコミュニケーションの時間を奪い、結果的にネグレクトにつながる。集団行動できない、暴力的になるなどの影響も。子どもの育ちは発達や遺伝だけでなく、環境も大事!
■愛着(アタッチメント)形成の重要性
子どもは、生まれてから5歳頃までに親や養育者との間に強い絆(アタッチメント)を形成。これによって得られた安心感や信頼感を足がかりに、周囲への世界へと関心を広げ、認知力や豊かな感情を育んでいく。それにより、レジリエンスの獲得。失敗しても立ち直ることができる。安心を感じながらの適度なストレスはより強いストレスを感じた時にも回復できる力になる。子どもの頃のハードルを乗り越えていく経験が大切。大人がハードルを倒してあげないこと!ストレスの予防接種を!
■マルトリ予防
・「褒め育て」の連鎖により「虐待の連鎖」を断ち切る。親を褒めることで、親が子どもを褒める。褒められた子どもが親になり子どもを褒める。虐待している親は、自分も褒められた経験がなく、どう子どもを褒めたら良いかわからない傾向が。
・「とも育て」・「共同子育て」で養育者を孤立させない。少子化・核家族化・地域のつながりの希薄化など子育ての孤立化が高い傾向にあり、完璧を求める子育てにもなりがち。「共同子育て」により、親の脳にも変化が現れ、子どもに良い影響をもたらす。支援者が豊かであるほど親の脳に変化がある。「ペアトレ」も効果的。
・支援者と養育者の溝をつくらない。「虐待」という言葉ではなく、「マルトリ」という言葉を使うことによって親を否定せず支援にすることができる。マルトリは親からの「SOS」である。
【受講者の感想】
・『マルトリ』という言葉を初めて耳にした。
・「褒め育て」の連鎖、まずは親を褒めることが大切だと実感した。
・傷ついた心・脳も回復することを知り、安心した。
・愛着期に母子関係がどのような関係であるかが子どもの将来に大きな影響を及ぼすことを学んだ。
・マルトリをなくすために、周囲の人を頼ればいいんだと思うことができた。
・「虐待」ではなく、「避けたい関わり」という言葉を使っていこうと思った。
・子どもの将来のために自分の関わり方を変えようと思った。
【受講者の評価】
| A (有意義) | 89.7% |
| B (どちらかといえば有意義) | 10.3% |
| C (どちらかといえば有意義でない) | 0% |
| D (有意義でない) | 0% |
【担当者から】
今年もまた、友田先生に元気とパワーをいただいた研修会となりました。今回の学びを参加者一人一人がより多くの人へ伝え、そして「とも育て」の担い手になっていきましょう!
申し込みフォームはこの要項の下にあります。
実施担当:[生涯学習推進センター]
実施要項(PDF) ちらし(PDF)

1 目 的
「マルトリートメント」(大人から子どもに対する避けたいかかわり、以下「マルトリ」)について理解を深め、「マルトリ」を予防するための養育者支援の重要性について科学的知見から学ぶ。
2 主 催
岩手県教育委員会
3 主 管
岩手県立生涯学習推進センター
4 対 象
(1) 青少年・家庭教育・子育て等の相談機関担当者
(2) 県や市町村の家庭教育支援・子育て支援担当者
(3) 社会福祉協議会の担当者
(4) 学校関係者(小・中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校の教職員や保護者、大学関係者)
(5) 幼稚園・保育園・認定こども園等関係者および保護者
(6) 放課後児童クラブ・放課後子ども教室、放課後等デイサービス、子育て支援拠点事業関係者
(7) 県子育てサポーター、NPO法人、子ども食堂関係者、子育て支援に携わるすべての方
5 定 員
定員はありません
6 期 日
令和7年11月27日(木)
7 実施形態
オンライン(YouTubeライブ)
※申込者限定オンデマンド配信あり
※オンライン視聴の機材準備が難しい方は生涯学習推進センターにて視聴することができます。
8 受講申込み
下記フォームに必要事項を入力し、[送信]をクリックしてください。後日担当者から確認のメールを差し上げます。(入力いただいた情報は関係機関で受講に関係した処理のみに使用いたします)
※公立学校の教員の方は下記フォームでの申し込みと併せて「Plant」上での申し込み手続きを行ってください。 > Plantリンク
【申し込み締め切り11月20日(木)】
9 日程
13:20~13:30【開会行事】
13:30~15:30【講 演】(質疑応答含む)
「養育者支援から考えるマルトリートメント予防」
講師:福井大学 子どものこころの発達研究センター 教授 友田 明美 氏
15:30 【閉会行事】
10 携行品
研修会資料は、Webサイト「まなびネットいわて」の特設ページに掲載します。
受講者自身で資料を印刷、またはタブレット等にダウンロードの上、ご準備くださるようお願いします。
11 その他
(1)同一所属所内で複数人が参加される場合、申込みフォームの「その他」の欄に、筆頭者以外の方の必要事項を記入して申し込むことも可能です。
(2)講演への質疑については、研修会当日に特設ページにある質問フォームより送信してください。時間の都合ですべての質問に答えられないこともありますので、予めご了承下さい。
(3)今回の研修会は「まなびネットいわて」特設ページにて申込者限定オンデマンド配信をいたします。