いわてマナビィマガジン
No.317(令和7年度第19号) 2026.2.20
★「博物館」と「子どもの居場所」のこれから★
先月29日(木)、30日(金)に開催した『岩手県生涯学習推進研究発表会』。基調講演、研究発表・協議、パネルディスカッションを通して、「博物館」と「子どもの居場所づくり」について考えを深めました。
最近、みなさんは博物館を訪れましたか? 博物館と聞くと、少し入りにくい雰囲気を感じる人もいるかもしれません。実は、博物館は、歴史博物館や民族博物館、自然史博物館など一般的にイメージする館はもちろん、博物の名のとおり、美術館や動物園、水族館なども含まれます。そして、資料の収集・保管、公開・教育普及、調査研究という基本的な役割はもとより、多様な主体を結びつけ、地域の文化と暮らしをつなぐ学びや交流の場を広げる社会教育的な役割も担っています。ヒト、モノ、カネに課題を抱える厳しい状況の中でも、創意工夫を重ねて、地域に開かれた活動を展開している博物館が県内外に数多くあります。新たな魅力を見つけに博物館に行ってみませんか。
また、近年、「子どもの居場所」という言葉をよく耳にするようになりました。いじめ、孤立、不登校、ひきこもり等、生きづらさを抱える子どもたちが増えてきているように感じます。子どもたちが安心でき、認められ、自分らしくいられるような居場所づくりはどうあればよいのか、社会教育として「子どもの居場所づくり」にどのように関わったらよいのか等について、次年度までの2年間、当センターの研究で明らかにしていきたいと考えています。「子どもの居場所」に関する情報がございましたら、ぜひ当センターにお寄せください。
なお、準備ができ次第、研究発表会の様子をwebサイト「まなびネットいわて」に掲載する予定ですので、ご覧いただきたいと思います。
令和7年度研修事業概要・実施要項・事業報告はこちらから
https://manabinet.pref.iwate.jp/index.php/center-menu/r07center/
参加者の感想(抜粋)をご紹介します。
【基調講演】
・博物館を「展示する場所」という捉えが一般的な中、博物館の役割について具体例とともに知ることができた。特に、市民参画や社会課題への関与を通して、価値を「発信・可視化」、さらには「共につくる場」へと転換していく重要性が伝わった。
・博物館を地域と共に学びを育む「参加型の拠点」として捉える視点が非常に新鮮だった。利用者を「受け身の鑑賞者」ではなく、「共につくるパートナー」とみなす発想は、これからの学びのあり方を考えるうえで大変示唆に富んでいた。
・施設のミッションを時代の変化に合わせて見直し、職員及び地域住民と共有することの重要性を感じた。
【研究発表・協議】
・博物館は、取り扱う資料や、設置・規模により多種多様なので、館の独自性ばかり意識してきたが、研究で定義された「博物館の地域における社会教育的役割」に賛同した。館の必要性を訴える時のヒントをいただいた。また、自分なりの課題も見え、「知の蓄積」について、デジタル化できない情報をどのように残したらよいかを考えながら仕事にあたりたい。
・ICOM(国際博物館会議)で示された定義等を踏まえた視点で様々な事例を示しており、興味深かった。地域社会に開かれた博物館のあり方を多数示していただき、自分の地域の博物館の動向も注視したいと思う。
・博物館が保管や展示だけでなく、地域における社会教育的な役割を担っていくという視点で考えたことがなかったので、まずは自分がいろいろな博物館に足を運びたいと思うようになった発表、協議だった。午後のパネルディスカッションにつながる内容で分かりやすかった。
・子どもの居場所づくりについて、歴史的背景や文献をもとに実地調査を行っており、大変興味深かった。間口の広い居場所をつくるには、制度的難点もあるということで難しいとは思うが、社会教育行政の立場として何ができるのか、一緒に考えていきたい。
・サードプレイス(家庭や学校以外の第3の居場所)は単なる居場所ではなく、主体性や自己決定を育む学びの土台にもなっていると再認識した。ありのままの存在が許される場が、主体的で深い学びを支える基盤になると改めて強く感じた。
【パネルディスカッション】
・博物館の運営を地域と共に考える視点がとても大切であることを思い出すことができてよかった。みなさんのとても前向きな取組を聞くことができ、私自身もまた前向きな思考を取り戻すことができた。
・博物館が抱える課題に加え、各館の特色や独自の取組を知ることができ、興味が深まった。特に、SNSでの発信がこれほどまでに高い効果を上げていることに驚かされた。
・各館の事例発表はとても参考になった。特に、北上市立博物館館長の「基本を駆使する」お話に感銘を受けた。もう一度基本を意識して活動してみようと思った。
・それぞれの館が課題を抱えつつも、前向きに「役に立ち、愛される」館を目指し、試行錯誤しながらその方法を模索していることが分かり、非常に勇気づけられた。
感想をお寄せいただいたみなさん、ありがとうございました。
★「中高生の推し本」も新たに掲載★
いわてマナビィマガジンの前号で、「岩手県子どもの読書状況調査」の結果をご紹介しました。今号では、8年ぶりに改訂した『いわての中高生のためのおすすめ図書100選(通称:いわ100)』をご紹介します。
『いわ100』は、県教育委員会が、県内の中高生にぜひ読んでほしい本を紹介するために作成しているブックリストです。初版は2011年で、今回の改訂では58冊が入れ替わりました。また、改訂会議構成員が選書した本に加え、県内の中高生から寄せられた推し本も新たに掲載されています。
掲載される100冊は、読書の多様な楽しみに応えるため、以下の9つのテーマにグループ化され、1冊ごとに短い紹介文付きで読みたい本を選びやすくなっています。
・テーマ1 人とのつながり・友情・愛を考える
・テーマ2 よのなか・社会を考える
・テーマ3 この人の生き方から学ぶ
・テーマ4 不思議な世界を冒険する
・テーマ5 科学の魅力を知る
・テーマ6 ユーモアを味わう
・テーマ7 読書の楽しみに目覚める
・テーマ8 岩手県の作家・舞台を読む
・テーマ9 災害を見つめ立ち上がる
「いわ100」(PDF)はダウンロードすることができますので、ぜひご覧いただきたいと思います。
詳しくはこちらから
https://manabinet.pref.iwate.jp/index.php/reading-promotion-activities/iwa100revision/
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◇発行:岩手県立生涯学習推進センター(花巻市北湯口2-82-13) 編集:小原幸尋