すこやかマガジン948号
2025年12月18日配信
子どものSNS利用と発達段階
先日、オーストラリアで16歳未満のソーシャルメディアの利用を禁止する法律が世界で初めて施行されたとのニュースが流れました。新法では、ソーシャルメディア(SNS)を運営する企業は、オーストラリアの16歳未満がアカウントを保有しないように措置を講じなくてはならないとされました。また、保護者の同意があれば使用を認めるという例外を設けないことを決めるといった踏み込んだ内容となっています。他にもマレーシア、デンマーク、EUといった国々で来年以降オーストラリアと同様の動きがみられます。オーストラリアの法律については、有害なコンテンツなどから子どもを守るために必要な措置という意見や、全面的な禁止は賢明な措置とは言えないと、賛否両論あるようです。
このニュースについて皆さんはどのように考えますか?
日本では9月に愛知県の豊明市が「スマートフォン等を使う時間の目安を1日2時間」とする条例を制定した話題を「すこやかマガジン939号」でも紹介しました。また、SNS・動画サイトの年齢制限については「すこやかマガジン936号」でお伝えしている通りですが、ルールで縛るだけでは子どもは抜け道を探すだけになってしまいます。大人がやっている姿を子どもが見たら、子どももやってしまいますよね。
子どもの発達は段階を経て進んでいきます。段階を踏んで達成することで、子どもの望ましい発達がなされます。したがって豊かな心身の育成にあたっては、子どもの発達段階を踏まえて、適切な支援を行っていくことが重要です。以下に発達段階ごとの特徴を紹介します。
(1)乳幼児期
身近な大人との間に、愛着関係を形成し、さらに複数の人との関わりの中から興味・関心を広げ、認知や情緒を発達させていく時期で、遊びなどの体験活動を通して自分と他人の存在や視点の違いに気づき、道徳性や社会性を身に付けるきっかけをつくります。
(2)学童期(小学校)
低学年においては「大人が『いけない』と言うことは、してはならない」といった、大人の言うことを守る中で、善悪についての理解と判断ができるようになるとともに、自然や美しいものに感動する心などの育む時期です。高学年は自己肯定感を持ちはじめる時期ですが、個人差が大きいため肯定的な意識を持てず劣等感を持ちやすくなる時期でもあります。遊びなどでは自分たちで決まりを作りルールを守るなかで、自他の尊重の意識や集団における役割の自覚、責任意識が育成されていく時期です。
(3)青年前期(中学校)
思春期に入り、自意識と客観的事実との違いに気づき葛藤する中で、自らの生き方を模索しはじめる時期です。大人との関係よりも、友人関係に強い意味を見いだし、仲間同士の評価を強く意識し始めます。その中で、社会の一員として自立した生活を営む力、法やきまりの意義の理解や公徳心を身に付けていきます。
(4)青年中期(高等学校)
思春期の混乱から脱しつつ、大人の社会でどのように生きるのか真剣に模索し始める時期です。自らの生き方について考え、主体的な選択と進路の決定や社会の一員としての自覚を持った行動が求められていきます。
冒頭のオーストラリアの「16歳未満のソーシャルメディアの利用を禁止」というのは、日本でいえば小学校~中学校の時期に当たります。自他の意識やルールを守ることを集団の中で育むべき時期に、情報メディアの利用時間が多いことは、必要なことを身に着けるタイミングを逃してしまっていることになります。この現状を改善する意味で、利用禁止というのは必要なことかもしれませんね。しかし、単に「ダメ」というだけでは子ども達も守ろうとする意識は芽生えないのかもしれません。子どもに自ら考えどうあるべきかを判断する力を身に付けさせることを考えてみましょう。
そのためには親が決まり事を作るのではなく、親子で一緒に学び合いながら、子どもに決まり事を考えさせる姿勢、伴走する態度が必要なのではないでしょうか。「すこやかマガジン934号」でお伝えしましたが、自分で決めたルールを子どもたちは守ろうとする意識がはたらくとの結果も出ています。以前にもお伝えしましたが、全国PTA連絡協議会のサイトではスマホ利用のルールについて詳細なルールの例を紹介しています。
https://zen-p.net/tg/g652.html#gsc.tab=0
こちらを参考にしながら、ご家庭で話し合ってみてください。また、話し合いを通じながら、子どもが困ったときに相談できる雰囲気を作ることができればいいですね。
今回は情報メディアの利用について否定的な側面が多い内容となってしまいました。世界的に見ても子どものSNSをはじめとした情報メディアの利用については制限を設ける動きが増えてきました。ですが、実際にはこれからの社会は情報メディアの利用無くしては成り立たない社会になっていくことが予想されます。子どもの発達段階に応じた適切な利用の仕方、適度な距離感を身に付けていくことを支援していかなければなりません。保護者が子どもとともに考え、その都度ルールを見直しながら見守っていきましょう。
情報メディアに関係した過去のすこやかマガジン(今年度分)
すこやかマガジン944号「不適切な投稿」
すこやかマガジン939号「スマホは一日2時間?」
すこやかマガジン936号「年齢制限」
すこやかマガジン934号「ルールの見直し」
すこやかマガジン925号「脳のお話」
すこやかマガジン916号「春!外へ出よう!!」
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