4月22日配信

春！外へ出よう！！

桜の花はそろそろ散り始める頃、道ばたには菜の花が咲き誇り、足下に目を落とすとヒメオドリコソウの紫色の絨毯やオオイヌノフグリの青色の絨毯が。もう少しすれば、木々の若芽が山々に広がり、山が徐々に緑色になっていきます。「山笑う」ですね。春はその光景を見るだけで心がウキウキしませんか？

4月のはじめに私の住んでいる地域でお祭りがありました。その頃はまだ梅の花が1つ2つ咲いている程度でした。その際一緒に祭りの手伝いをしていた年配の方から「梅の花が咲くと1週間後に桜の花が咲く」と教えていただきました。その通り1週間後には桜の花が咲き始めました。このとき、「よくそんなことがわかったな」と思うとともに、「これまでの体験から学んだことなんだな」と思いました。

「体験活動」という言葉を聞いたことはありますか？近年「子どもたちの体験活動充実を」と盛んに言われるようになりました。体験活動とは何を求めているのでしょうか。

大人の皆さんは「子どもは学校で勉強だけしていれば育つ」わけではないことを自身の経験からご存知であると思います。では学校の勉強以外に何が必要なのでしょうか。改めて考えてみると答えにくいと思いますが、大ざっぱに言えば「体験」（または経験）から様々なことを学んでいくことではないでしょうか。

今、子どもたちの「体験」がこれまでとは変化しています。青少年教育研究センターでは、子どもが育つ環境が以前と比べ「時間・空間・仲間」（3つの『間』でサンマと呼ぶそうです）が変化していると捉えています。

またスマホの普及とともに昔は直接的に目で見ていたものがネットですぐにわかる、というようにメディアの変化により体験の環境も変わってきている点を挙げています。スマホを通じた情報収集による体験も必要な体験ではありますが、直接的ではない分、得られる体験としては少ないと考えられています。

これまでは日常の生活において「自然と体験できていた」ことができなくなる中で、「体験活動」は子どもの成長の土台としての「体験」へ注目し、大人や社会が体験の環境を用意したり機会を意図的に提供してあげることを目指しています。

では、体験活動により育まれるものとは何でしょうか？「百聞は一見に如かず」と昔から言われるとおり、情報や知識を身につける上では見るだけよりも体験することの方が印象に強く残ります。またテストで計れるものとは違う、コミュニケーション能力や自己肯定感など（非認知能力といいます）のように教えてできるようになるものではない能力を身につける上でも体験活動を通した体験は重要となります。

詳しくは青少年教育研究センターの動画でわかりやすく説明していますので、一度ご覧になってください。（下記リンク参照）

さて、これからゴールデンウィークを迎えます。天候は暖かい日もあれば、まだ寒い日もありますが、その日その日の様々な空気の匂い一つとっても貴重な体験になるのではないでしょうか。ぜひ外に出て「山笑う」の光景をご覧ください。

資料リンク
（独）国立青少年教育振興機構 青少年教育研究センター：
【体験活動ってそもそも①】体験活動が推進される背景とは？

【体験活動ってそもそも②】体験活動の教育的効果とは？

動画内で引用している答申は以下の通りです

文部科学省：1996年中央教育審議会「21世紀を展望した我が国の教育のあり方について（第一次答申）
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chuuou/toushin/960701.htm
文部科学省：2013年中央教育審議会「青少年の体験活動の推進について」（答申）
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1330230.htm

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