1. HOME
  2. ブログ
  3. メールマガジン
  4. すこやかMAG
  5. すこやかマガジン第850号

まなびネットいわて

すこやかMAG

すこやかマガジン第850号

対話による解決

2023年10月19日

 先日、子どもが幼少期に大変お世話になったアニメ番組が放映されていたので、「久しぶりだな」とエンディングまで見ることにしました。主人公(以下、Aマン)をはじめとしたお馴染みのキャラクターたちが穏やかな世界で楽しそうに暮らしています。そこへ、いたずら好きのお騒がせキャラクター(以下、Bマン)がお腹を空かせて登場し、みんなを騙して食べ物を強奪…というお馴染みの展開。きっとこれからAマンが「やめるんだ!Bマン!」と飛来し、一撃を見舞って撃退するのだろう…。
 しかし、この日はいつもの展開とは違いました。Aマンによるその「一撃」がなかったのです。Aマンの素晴らしい提案(詳細を忘れてしまいましたが)でみんなにとってWin-Winな結果へ導かれました。Bマンは空腹を満たすことができ、笑顔で飛び去っていきました。「たまにはこんな展開もあるんだな」と驚いたと同時に、Aマンの対話による問題解決能力に色々と考えさせられました。

 さて、過日に前千代田区立麹町中学校校長で、現在は横浜創英中学・高等学校校長である工藤勇一氏の講演を聴く機会がありました。工藤氏は「学校は民主主義を学ぶ土台である」という信条に基づき、数々の改革を進められています。自身の著書等で繰り返し述べられているように、「人間関係においてトラブルが起きたとき、意見が食い違ったときに、解決のための対話ができる人材がたくさんいる社会を目指す『行動の教育』こそが民主主義教育である」という考えを、講演会でも強調して話されていました。先ほど紹介したアニメのAマンが行った対話による問題解決にも通ずるものがあるように思います(アニメのようにそう簡単にはいかないのが難しいところですが)。

 社会で暮らしていく中で、考えや価値観が違う人と何か一つのゴールを目指す際には食い違いが起きることもあるでしょう。その時に、「みんな仲良く」「心を一つに」では簡単に解決できませんし、「好きか嫌いか」という感情論になってしまいがちです。度々用いられる「多数決」による決定方法では、少数派の意見が軽視されてしまいます。
 子どもたちにとって友達とのけんかや意見の食い違いなどのトラブルは日常茶飯事ですが、考えようによっては、貴重な学びの機会でもあります。多様な価値観をもつ人同士が話し合い、感情をコントロールし、考えを修正しながら合意形成を図るという経験を、子どもの頃から少しずつ積み重ねてもらいたいものです。そして、私たち大人もそれを実践していきたいものです。

 今、世界のいたるところで戦争や紛争が起きています。苦しく悲しい思いをしている子どもたちをはじめとする多くの人々に思いを寄せると同時に、「対話の大切さ」を我が子と共に考えたいと思う今日この頃です。

【参照】https://www.oricon.co.jp/special/53516/
https://cocreco.kodansha.co.jp/cocreco/general/childcare/8lcrl

☆子育てに関する悩みを一緒に考えます☆
子育て電話相談「すこやかダイヤル」 0198-27-2134
☆すこやかマガジンへのご感想、アドレス変更・配信停止はこちらへ(^_^)/
kosodatem@pref.iwate.jp
★==========================★
【発行・文責】岩手県立生涯学習推進センター
【HP】https://manabinet.pref.iwate.jp
【X (旧Twitter) 】https://twitter.com/manabinetiwate
★==========================★

関連記事