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いわてマナビィマガジン270

No.270 (令和5年度第12号) 2023.10.6

知っていますか?「社会教育士」


 ~人づくり・つながりづくり・地域づくりに今 「社会教育士」が必要です~

社会教育を行う者に対する専門的技術的な助言・指導に当たる役割を担う専門的職員として、都道府県や市町村に「社会教育主事」が配置されていることは御存知の方も多いと思います。今回は、「社会教育主事」と「社会教育士」について探っていきます。


【「社会教育主事有資格者」と「社会教育主事」】

「社会教育主事」となるためには、まずは「社会教育主事有資格者」となる必要があります。この資格を得るためには、大学等で社会教育に関する所定の科目の単位を修得するか、全国の大学及び国の機関において実施される社会教育主事講習を修了する必要があります。

しかし、それだけでは「社会教育主事」になることはできず、教育委員会から「発令」を受けることではじめて「社会教育主事」を名乗り職務にあたることができます。

ちなみに、社会教育法には、「都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に社会教育主事を置く。」いう必置規定があります。(昭和34年の社会教育法施行令では、「人口一万人未満の町村にあっては、当分の間置かないことができる」となっており、60年以上経過した現在も有効とのことです…。)


【発令を受けていなくても名乗れる称号ができた!】

これまでも、NPOや社会教育関係団体、企業、学校教職員、PTAなどの方々が、講習や養成課程を受講し、「社会教育主事有資格者」として、様々な場で活躍していましたが、「発令」されていないので「社会教育主事」と名乗ることはできませんでした。

そこで、国では社会教育養成の講習科目を見直し、学習成果がさらに広く社会における教育活動に生かされるよう、令和2年度より新たに社会教育主事講習や養成課程で定められた科目を修了した者は、「社会教育士」と称することができるようになりました。履歴書や名刺にも記載することが可能です。

ちなみに、令和元年度以前に講習または養成課程を修了した「社会教育有資格者」も、生涯学習支援論(2単位)と社会教育経営論(2単位)を受講し修得すれば、「社会教育士」と名乗ることができます。


【「社会教育士」の役割とは】

私たちの住む地域やその中での暮らしには、さまざまな課題が山積しています。コミュニティの希薄化、空き店舗が増える商店街、子育てや介護が生む孤立、居場所や活躍の場がない子ども・若者、災害から命を守る防災の備え、国籍の違いや障がいの有無などによる分断など・・・。

地域全体で、抱える課題を解決し続けていくためには、地域の課題に対する当事者意識を持って、より多くの人々が活動を協働しながら、これまでの経験や学んだ成果を活かし、工夫しながら参加できる地域活動や市民活動を豊かにしていくことが求められています。

地域を面白くしたい、新たな人ともっと出会いたい、多様な人ともっとつながりながら活動したい、という前向きな気持ちになれるきっかけが、地域にたくさん存在していなければ、大人も子どもも、そして地域も成長していくことはできません。

このきっかけにあたる取組を、人々の自由で自発的な学習活動を支援する社会教育の分野では、「学び」と呼んでいます。こうした「学び」を社会のいたるところにたくさん仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材が「社会教育士」です。


【「社会教育士」の専門性が発揮される場面】

「社会教育士」は、社会教育の制度や仕組み、基礎的な知識に加え、ファシリテーション能力・プレゼンテーション能力・コーディネート能力などの専門性の習得をねらいとした課程や講習を修了した人たちの称号です。

「社会教育士」は、このような専門性を活かしながら、地域の思いに寄り添った長期的な地域づくりのビジョンを持ち、地域活動や市民活動が持続的に展開していく支援をします。今後、社会教育士は、社会教育施設や教育委員会事務局だけでなく、地域、社会、世界で解決が目指される多様な課題に取り組む地方公共団体の各部局や、NPO、企業、学校などの他、地域活動やボランティア活動などにおいても、活躍することが期待されています。

「社会教育主事」が、教育的専門職員として都道府県及び市町村の教育委員会に置かなくてはならないことは、これからも変わりありません。地域における様々な分野で活躍する「社会教育士」が増えるにつれ、「学びのオーガナイザー」としての総合的な視点に立った地域全体の社会教育振興に取り組む「社会教育主事」の役割はますます重要になります。


【「社会教育士」になるには】

社会教育士になるためには、文部科学省から委嘱を受けた実施機関が行う社会教育主事講習を修了するか、または養成課程を置く大学で必要単位を修得する方法があります。

講習は、国立社会教育実践研究センターで年に2回、その他国内の大学にて実施されています。受講申し込みは、各都道府県教育委員会に行うこととなっております。

北東北においては、岩手大学・秋田大学・弘前大学の3大学が持ち回りで開催しています。

かくいう筆者も社会教育主事有資格者ですが、追加講習の受講による「社会教育士」取得を目論んでいます。皆さんも是非、人づくり・つながりづくり・地域づくりにつながる「社会教育士」取得に取り組んでみませんか?

★「社会教育士」に関する情報はこちらから★

https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/mext_00667.html (文部科学省サイト)

https://mext-shakaikyoiku-gov.note.jp (社会教育士note)


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総合教育センター・生涯学習推進センター合同一般公開
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 11月3日(金・祝)に岩手県立総合教育センターと生涯学習推進センターの合同一般公開があります。今年度も昨年度に引き続き、両センターとも申込された方々へ限定公開となります。定員は、午前20名、午後20名です。

 岩手県立生涯学習推進センターでは、2つのプログラムを体験していただきます。
〇プログラムA 「君も今日からユーチューバー!!」
(テレビ撮影に使われたスタジオで、ライブ配信を実際に行います。)
〇プログラムB 「誰でも楽しめる!!パラスポーツ」
(公式認定球を使用して、「ボッチャ」という競技を行います。)

内容や申込方法など詳しくはこちらから
https://manabinet.pref.iwate.jp/index.php/event/051103/

★―――――――――――――――★
 10・11月の研修事業実施予定
★―――――――――――――――★

※研修講座の申込みや実施済みの研修講座の様子はこちらからご覧になれますhttps://manabinet.pref.iwate.jp/index.php/center-menu/r05center-youkou/

【10月】
11日(水)ICTスキルアップ研修講座5-①【申込締切ました】
13日(金)ICTスキルアップ研修講座5-②【申込締切ました】
16日(月)ICTスキルアップ研修講座5-③【申込締切ました】
※①②③とも同じ内容の研修講座です。
(オンライン会議・研修の実施方法やICT活用による魅力的かつ効果的な事業実施に関する研修)

31日(火)地域学校協働活動推進員(コーディネーター)等研修会【申込受付中】
(学校の地域連携の推進と地域学校協働活動を推進するコーディネーター等の資質向上に関する研修)

【11月】
 1日(水)ICTスキルアップ研修講座6【申込受付中】
      (オフィスソフトの使い方(表計算等)に関する研修)
10日(金)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(久慈会場)
      (ちらし・広報誌づくりを題材にWordの発展的な活用方法について学ぶ研修)
28日(火)子育て・家庭教育相談担当者研修会②
     (子育て支援・家庭教育支援にあたる電話相談等職員及び保護者支援にあたる子育て支援人材のスキルアップを図る研修)
30日(木)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(中央研修)
(障がい者の生涯学習についての理解促進、多様な学び、推進上の課題等についての意見交流等を行う研修会)

※詳しい内容・申し込みは、「まなびネットいわて」https://manabinet.pref.iwate.jpをご覧ください。

▶ご意見・ご感想、登録・登録解除等は下記アドレスへ
  ⇒ E-mail:mag-manabee@pref.iwate.jp 
▶生涯学習・社会教育関連情報は「まなびネットいわて」から
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 発 行:岩手県立生涯学習推進センター (花巻市北湯口2-82-13)
 編 集:澤柳 健一

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