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いわて マナビィ マガジン 268

No.268 (令和5年度第10号) 2023.9.1

いわてが誇る「教育振興運動」(その2)

 ~時代と共に歩む「教育振興運動」~

教育振興運動が始まって間もない頃、県内の市町村では地域住民への説明会やPRを積極的に行いました。それを象徴するようなエピソードがあります。

【きょうすん(教振)くなんせ】

ある町では、「子どもに勉強部屋を与えよう」をスローガンに、「まず子どもに勉強机を与えよう」という具体的な実践目標が立てられました。その結果、家々の屋根裏部屋や押入れが子どもの勉強部屋に変わり、みかん箱が勉強机になりました。そんな折、ある家具屋の店先で、一人のおばあさんが、「きょうすんって言うのはとってもいいもんだそうだから、そこの『きょうすん』ひとつくなんせ」と言って、机を指さしたそうです。かわいい孫のために勉強机を買いにきたのでしたが、勉強机という言葉より、「教振」という言葉のイメージが強かったのでしょう。それほどに地域の運動に対する盛り上がりがあったのです。

ちなみに、このエピソードについて気になり探ってみたところ、その家具屋は岩手町にあるという情報を入手し訪問してみました。残念ながら、既に店舗は無く住宅となっておりましたが、教育振興運動草創期に想いを馳せるよい機会となりました。

さて、前回は平成初頭までの教育振興運動の歴史について振り返ってみましたが、その後の運動はどのように変遷してきたか振り返ってみたいと思います。


【教育振興運動30周年記念大会(平成6年度)】

県教育委員会では、運動推進の現状や今後の推進について考える機会として、平成6年度に30周年記念大会を開催しました。この時期は、活動自体はある程度定着し全体としてマンネリ感や手詰まり感がある中で、この大会が集大成となり活動が終了するのでは考える関係者も多かったとのことです。そのような中、教育振興運動提唱者でもある当時の県知事 工藤巌氏の講演により、改めて理念や目標が共有されたことで、教育振興運動の意義や役割が再確認され、それ以降教育振興運動が終了するのではという声はなくなったとのことです。


【生きる力の育成と完全学校週5日制への対応(平成8~16年】

中央教育審議会が提言した「生きる力」をバランスよく育むことを目指し、地域の特色を生かした多様な体験活動などの幅広い運動が展開されました。平成14年4月からは、完全学校週5日制が実施され、学社連携の下での「地域の教育力向上支援事業」に取り組み、これまで培ってきた教育振興運動が大きな役割を果たしました。


【教育振興運動40周年記念大会(平成16年度)】

「教育振興運動を時代の財産に」をテーマに、約2,000人の参加を得て40周年記念大会が開催されました。記念講演では、アニメ作家の松本零士氏に講演をいただきました。また、シンポジウム等を通じて、これまでの取り組みの様子や課題について再確認し、これからの方向性を位置づける機会となりました。


【みんなで教振!10か年プロジェクト(平成17~26年)】

アンケート調査や市町村担当者との懇談から、運動の理念やねらいの理解が不十分、組織や活動の硬直化、課題の共有不足等が浮き彫りとなったことから、運動の原点に立ち返り活性化を目指してプロジェクトが立ち上がりました。10年間を通じて取り組んだ内容は次の通りです。

○再構築の3年(平成17~19年)

 「モデルプログラムの開発」…組織の再構築や実践の見直しの参考に

 「教職員への啓発」…地域窓口連携教員研修会・教員初任者研修・10年研修での講義

 「イメージキャラクター(きょうちゃん・しんちゃん)の設定」…県民への周知・啓発

○実践の3年(平成20~22年)

 「全県共通課題『家庭学習の充実』・『読書活動の充実』の設定」

…取り組むべき課題、全県で取り組める課題の共有               

 「PDCAサイクルによる評価」…成果・課題の可視化

「いわて型コミュニティ・スクール構想との連動」…担当指導主事の位置づけ

「学校支援地域本部事業の導入」

…教育振興運動といわて型コミュニティ・スクールとの連動による効果的推進

「チーム教振」…派遣を希望する市町村へ出向き運動の活性化に

○定着と検証の2年(平成23~24年)

 ※東日本大震災津波の発災

 「『復興教育』を取組の柱に位置づけ」…復興と震災津波の教訓を継承

 「イメージソング『Hand in Hand』の作成」…復興推進とさらなる周知・啓発

 「市町村・地域活性化研修会の実施」…市町村の教育課題に即した支援

○飛躍の2年(平成25~26年)

 「8年間の課題の最終点検」…成果と課題のまとめ


「みんなで教振!10か年プロジェクト」の最終年度には、「教育振興運動50周年記念大会」が開催され、運動の50年のあゆみを振り返り、プロジェクトの成果と課題の総括を行い、新しい時代へ向けた教育振興運動の方向性を示しました。

その後、今日まで10年間、教育振興運動がどのように進められてきたかは、また次回(その3)で振り返ってみたいと思います。

★教育振興運動に関する情報はこちらから★

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9・10月の研修事業実施予定

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☆☆☆研修事業が目白押し☆☆☆学びの秋です☆☆☆

※研修講座の申込みや実施済みの研修講座の様子はこちらからご覧になれます

↓↓↓

【9月】

 6日(水)事業プログラム企画運営研修講座【申込受付中】

      (事業プログラム企画運営に関する研修)

15日(金)地域安全防災研修会【申込受付中】

      (地域防災訓練に関する研修)

21日(木)センター・公民館・主管課職員等セミナー【申込受付中】

  (生涯学習・社会教育及び地域づくりを担う施設職員・担当部局における施策推進に関する研修)

28日(木)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(中部:花巻会場)【申込受付中】

      (地域づくりを担う地区センター・公民館職員等のスキルアップを図る研修)

29日(金)子育て・家庭教育相談担当者研修会①(ビッグルーフ滝沢)【申込受付中】

(子育て支援・家庭教育支援にあたる電話相談等職員及び保護者支援にあたる子育て支援人材のスキルアップを図る研修)

【10月】

 4日(水)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(県南:前沢会場)

(地域づくりを担う地区センター・公民館職員等のスキルアップを図る研修)

11日(水)ICTスキルアップ研修講座5-①

13日(金)ICTスキルアップ研修講座5-②

16日(月)ICTスキルアップ研修講座5-③

※①②③とも同じ内容の研修講座です。

(オンライン会議・研修の実施方法やICT活用による魅力的かつ効果的な事業実施に関する研修)

31日(火)地域学校協働活動推進員(コーディネーター)研修会

(学校の地域連携の推進と地域学校協働活動を推進するコーディネーター等の資質向上に関する研修)

※詳しい内容・申し込みは、「まなびネットいわて」https://manabinet.pref.iwate.jpをご覧ください。

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  ⇒ E-mail:mag-manabee@pref.iwate.jp

 ▶生涯学習・社会教育関連情報は「まなびネットいわて」から

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 発 行:岩手県立生涯学習推進センター (花巻市北湯口2-82-13)

 編 集:澤柳 健一

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