家庭教育・子育て支援担当者研修会(実施報告)
実施日:令和5年5月30日(火)
事 業 報 告
市町村の家庭教育担当者や子育て支援担当者だけでなく、家庭教育・子育て支援に携わる様々な業種の方々に参加いただきました。家庭と地域とのつながりづくりや専門機関との橋渡しをお手伝いする地域子育て支援拠点事業や地域における家庭教育支援体制整備のための取組について知り、子育て家庭を支える地域コミュニティの役割について考える機会となりました。
【行政説明】岩手県教育委員会事務局 生涯学習文化財課
社会教育主事 浅沼 公紀 氏
「社会全体で家庭教育・子育てを支えるための県の施策」と題し、家庭教育・子育て支援を取り巻く現状と課題、岩手県の家庭教育・子育て支援施策について説明いただきました。

【基調講演】認定NPO法人びーのびーの 理事長
NPO法人子育てひろば全国連絡協議会 理事長
奥山 千鶴子 氏
「少子化社会の処方箋~家庭教育・子育てを支える地域コミュニティの役割~」と題し、ご講演いただきました。日本の少子・高齢化の現状から、今、本気で、子育てしやすい社会システムに変えていかなければならないことを、こども家庭庁やこども未来戦略会議の最新の資料を基に、また、これまで取り組んできた実践も交えながら、わかりやすくお話しいただきました。
~本気で、子育てしやすい社会システムに変えるためには~
1.ポピュレーションアプローチ(誰でも使える普遍的サービスを)
・出産前後の学びや交流の場、支援サービスを多様に用意(専門職+多職種連携)
2.選択できる・選択に寄り添う(選択できるほどサービスがあればよい)
・0歳から就園前の家庭への支援強化
3.子どもと子育て家庭のウエルビーイング(幸福な社会)
・ウエルビーイングを高める寄り添い型支援の構築
4.子どもと子育て家庭に関わる人を増やす
・まちぐるみで「こどもまんなか」社会づくりへ

【事例発表】青森県教育庁 生涯学習課 地域連携推進グループ
社会教育主事 橋本 卓 氏
「行政と子育て支援者との連携による家庭教育支援~『あおもり家庭教育支援総合事業』と社会教育センター事業~」と題し、発表いただきました。「社会全体で家庭教育を支える体制の充実」を重点に据え、生涯学習課と総合社会教育センターで展開している事業である「親の学びの支援」「ネットワーク形成支援」「人財育成」「普及啓発」「情報支援」「家庭教育相談」について紹介いただきました。

【事例発表】特定非営利活動法人矢巾ゆりかご
理事長 半澤 久枝 氏
「学びと地域のつながりで子どもの育ちや子育てを応援~特定非営利活動法人矢巾ゆりかごの実践~」と題し、発表いただきました。矢巾ゆりかごは、行政から信頼され多くの事業を運営されています。様々な学び、地域や専門職とのつながりで、子どもと子育て家庭のウエルビーイングとなっている事例を紹介いただきました。

<グループで考えた質問をする参加者>

【受講者の声】
- 子育てに関する最新の情報を知り、また、今求められている支援について具体的に学ぶことができる充実した内容でした。
- 家庭教育、子育て支援、教育振興運動という部分に対し、地域がどう関わっていけるかが、なかなか難しく、今回参加しました。まず、出てきてもらう仕組みを更に考えていかなければならないと思いました。
- 日常業務の中で、教育と福祉の連携の必要性、地域とのつながりの大切さを感じているところだったので、今日の研修はとても有意義だと感じました。
- 政策的なことから実際の活動に関することまで、細やかにお話しいただき、とても分かりやすかった。
【受講者の評価】
A(有意義) 67.9%
B(どちらかといえば有意義) 32.1%
C(どちらかといえば有意義でない) 0%
D(有意義でない) 0%
【担当者から】
「少子化」という国の喫緊の大きな課題の解決に向けて構成された「こども未来戦略会議」の有識者メンバーでもある奥山氏から、今後の子育てに関わる政策等について、最新の情報を教えていただきました。また、質疑応答の際、グループで情報交流をしました。参加者が自分の地域や所属の課題に気付き、今後の活動のヒントや解決策を得て、これから取り組むイメージをもつことができた研修になりました。