すこやかマガジン第844号
1日60分の身体運動
9月7日配信
みなさん、こんにちは。
先日、FIBAバスケットワールドカップ2023において、日本がアジア最上位の成績を収め、来年のパリオリンピックへの出場権を獲得しました。テレビ中継されたので、劇的な試合展開に感動した方も多かったのではないでしょうか。きっとバスケをやってみたいと思う子どもも増えたことでしょう。
さて、まだまだ残暑厳しい9月ですが、例年なら「スポーツの秋」といわれるように、スポーツや運動がしやすい季節です。
世界保健機関(WHO)は、『身体活動・座位行動ガイドライン』の中で、5歳~17歳の青少年期では、1週間を通して、1日平均60分の身体運動(多くは有酸素性身体運動)を奨励しています。その一方で、余暇時間におけるスクリーンタイム(※テレビやパソコン、スマホなどの画面を見ている時間)の時間を減らす必要性を訴えています。青少年期の座りすぎは、肥満の増加、心血管代謝の悪化、体力の低下、向社会的な行動(※他人を助けることや他人に対して積極的な態度を示す行動)の低下、および睡眠時間の減少といった悪影響を及ぼすと警告しています。
なお、岩手県教育委員会でも、子どもたちの「健やかな体の育成」に向けて、児童生徒一人ひとりのよりよい生活の確立が図られるよう、令和4年度から新たに「60(ロクマル)プラスプロジェクト」推進事業を実施しています。
私の子ども時代は、暗くなるまで外での集団遊びが当たり前でしたので、余裕で60分は体を動かしていたと思います。しかし、今の子どもたちの中には、少子化と遊び方の多様化の影響で、1日60分の運動は、大人が意図的に運動する機会や遊びを作ってあげなければなかなか難しい子も多くいると思います。
我が子が幼稚園に通っていた頃、親として心がけたことは、「大人が運動している姿を子どもに見せる」「子どもと一緒に遊ぶ」でした。親が楽しそうに運動していると子どもたちも真似したがりますし、スキンシップは親子両方にオキシトシン(幸せホルモン)の分泌を促します。幼児期の子には、運動能力を高める前に運動好きにさせることが、運動習慣につなげる上で一番大事だと思って遊んでいました。
ちなみに、先述したガイドラインには、1ページ目に重要なメッセージとして次の6点を挙げています。
1.身体運動は心身の健康に寄与する。
2.少しの身体運動でも何もしないよりは良い。多い方がより良い。
3.すべての身体活動に意味がある。
4.筋力強化は全ての人の健康に役立つ。
5.座りすぎで不健康になる。
6.身体活動を増やし、座位行動を減らすことにより、すべての人が健康効果を得られる。
スポーツの秋、1日60分の身体運動を目標に、家族で運動する機会を作ってみてはいかがでしょうか。
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