1. HOME
  2. ブログ
  3. メールマガジン
  4. マナビィMAG
  5. いわて マナビィ マガジン 267

まなびネットいわて

マナビィMAG

いわて マナビィ マガジン 267

No.267 (令和5年度第9号) 2023.8.17

いわてが誇る「教育振興運動」(その1)

 ~「教育振興運動」は令和6年度に60周年を迎えます~


前号で岩手県におけるCS(コミュニティー・スクール)の導入が進んでいることをお伝えしましたが、その一つの要因として、「教育振興運動」が大きな役割を果たしているのではないでしょうか。

そこで、今回は取り組みが開始してから来年度で60周年を迎える「教育振興運動」について振り返ってみたいと思います。


【教育振興運動の始まり(昭和30年代)】

昭和39年4月、全国に先駆けて岩手県教育振興基本計画が策定され、そこに初めて「教育振興運動」の方向が示されました。提唱したのは、当時の県の教育長 工藤巌氏(後の県知事)です。その背景には、教育水準の全国との格差を解消しようという願いが込められていました。小中学校の長期欠席の割合、幼稚園、保育所への就園率、高等学校への進学率等の「教育の普及度」は、いずれも全国水準を下回るものでした。また、県民1人あたりの教育費の支出、市町村の財政における教育予算も全国に比べて、まだまだ少ない状況でした。


【運動の提唱から普及へ(昭和40年~44年)】

この時期は、運動の趣旨を広くPRすることから始められ、地域住民の学習会などを通じ、昭和41年までにほとんどの市町村で、地域の実情に即した推進組織がつくられました。「子どもに勉強部屋を与えよう」という実践主題を掲げ、学校が中心となって取り組んだ地域や、「地域ぐるみで子どもを立派に育てよう」という住民運動に発展させていった地域も出てきました。


【組織の活動の総点検(昭和45年)】

昭和45年は、岩手国体開催の年であり、国体県民運動の総まとめと同時に、これまでの過去5年間にわたる教育振興運動の組織と活動の点検を行い、多くの運動の成果が確認されました。そして、運動の組織は、岩手国体成功のために大きく貢献しました。


【普及から充実へ(昭和46年~49年】

岩手国体の成功を契機として、教育振興運動は新しい段階の推進方向を目指しました。その一つは、それまで全県的な重点課題としていた「児童生徒の教育成果の向上」を「学力向上」、「健全育成」、「健康と安全」の3つに具体化しました。そして、運動は、地域の実情や諸情勢の推移に適切に対応したものとして進められるよう配慮されることとなりました。このほか、学校、教師の役割の再検討や、市町村単位の広域的な共通課題の設定を進めるなど、普及と充実を目指した取り組みがなされました。


【生涯学習の観点に立った運動へ(昭和50年~54年】

10年間の運動の成果を集約した結果から、児童生徒や地域の人たちの学習意欲の高まりがみられる等の成果が確かめられましたが、一方で推進体制や実践活動における地域格差、運動を進めるリーダーの不足が課題となり、生涯学習の観点に立った運動が展開されることになりました。


【青少年の健全育成を目指して(昭和55年~58年】

児童生徒の社会体験不足が問題となり、昭和55年度から在学青少年の社会参加活動を促進する取り組みが行われました。また、昭和57年度からは小中学生の主体的な参加による学習、実践活動を促進するために「少年少女教室」事業を実施し、教育振興運動の活性化を目指しました。


【ふれあい教育の推進を目指して(昭和59年~平成2年】

青少年の非行やいじめの問題が表面化してきたこの時期は、自立の心の大切さ、人間同士のふれあいの大切さを運動の重要な内容としてとらえ、その活動の成果が期待されました。


【生涯学習の実践の中で(平成3年~)】

子どもたちに生涯学習の基礎を身につけさせるとともに、いわゆる「生きる力」をバランスよく育むため、地域の特色を生かした様々な体験活動などが取り入れられるなど、幅広い運動が進められました。


このように、「学力向上」を目指した学習環境の充実や読書推進、児童生徒の「健全育成」・「健康安全」を目指したあいさつ運動、自然体験活動、ボランティア活動、郷土芸能の伝承活動、世代間交流、スポーツ文化活動など、各時代における地域の教育課題に対応して、各地域の特色を生かしながら取り組んできています。

当センターや各教育事務所で実施する学校と地域の連携・協働に関する研修会では、全国から講師を招いていますが、多くの方々から「教育振興運動」という取り組みがあること、そしてこれまで脈々と受け継がれてきていることは素晴らしいとの声が聞かれます。

しかし、地域の教育課題の解決と未来を担う児童・生徒の健全育成ため、これからも「教育振興運動」は、その時代にあった取り組みを行っていくために常に改善していく必要があるのではないでしょうか。

次回のマガジンでは、平成期に入ってからの「教育振興運動」の具体的な取り組みの改善やその変遷について振り返ってみたいと思います。

★教育振興運動に関する情報はこちらから★


★―――――――――――――――★

9・10月の研修事業実施予定

★―――――――――――――――★

※研修講座の申込みや実施済みの研修講座の様子はこちらからご覧になれます

↓↓↓

【9月】

 1日(金)放課後子ども総合プラン指導者合同研修会②【申込受付中】

 6日(水)事業プログラム企画運営研修講座【申込受付中】

12日(火)・13日(水)放課後児童支援員認定資格研修(センター後期)

【締め切りました】

15日(金)地域安全防災研修会【申込受付中】

21日(木)センター・公民館・主管課職員等セミナー

26日(火)・27日(水)放課後児童支援員認定資格研修(県北後期)

【締め切りました】

28日(木)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(中部:花巻会場)

29日(金)子育て・家庭教育相談担当者研修会①(ビッグルーフ滝沢)【申込受付中】

【10月】

 4日(水)人づくり・地域づくり関係職員等研修講座(県南:前沢会場)

5日(木)・6日(金)放課後児童支援員認定資格研修(沿岸後期)【締め切りました】

11日(水)ICTスキルアップ研修講座5-①

13日(金)ICTスキルアップ研修講座5-②

16日(月)ICTスキルアップ研修講座5-③

※①②③とも同じ内容の研修講座です。

24日(火)・25日(水)放課後児童支援員認定資格研修(盛岡後期)【締め切りました】

31日(火)地域学校協働活動推進員(コーディネーター)研修会

※詳しい内容・申し込みは、「まなびネットいわて」https://manabinet.pref.iwate.jpをご覧ください。

▶ご意見・ご感想、登録・登録解除等は

下記アドレスまで

  ⇒ E-mail:mag-manabee@pref.iwate.jp

 ▶生涯学習・社会教育関連情報は

「まなびネットいわて」から

  ⇒ https://manabinet.pref.iwate.jp/

 ▶ 当センターの情報をSNSにて配信中

  【 Twitter  】

https://twitter.com/manabinetiwate/

 発 行:岩手県立生涯学習推進センター

 (花巻市北湯口2-82-13)

 編 集:澤柳 健一

関連記事