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講座・イベント情報

家庭教育・子育て支援活動交流研修会(実施報告)

実施日:令和5年7月6日(木)

事 業 報 告

        ~SNS時代 正しい情報で親支援~                                  科学的根拠をもとにした家庭教育・子育てに関する正しい情報を知り、交流しながら支援活動の場でできることを考え、明日からの親支援に役立てることを目的として実施し、家庭教育・子育て支援に携わる様々な業種の方々に参加いただきました。

【基調講演】「SNS時代の子育てにこそ、支援者が正しい情報で親支援 」

國學院大學 人間開発学部 子ども支援学科 教授 博士(医学) 鈴木 みゆき 氏 

[鈴木みゆき氏]

<講演要旨>

◆内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果より、低年齢層(0-9歳)の利用時間が増えていることから、「もう、インターネットを使うな」とは言えない社会になってきているので、使い方を考えることや、使う方のリテラシーが重要になってきている。

[脳の構造と役割]

◆昨今、幼児教育で取り上げられることが多くなった「非認知能力」。その非認知能力(3階)を育てるためには、愛情、愛着を感じさせながら生活習慣を安定させ(1階)、主体的な遊びをさせる(と、2・3階が育つ)ことが重要。「睡眠不足(1階)が続くと、イライラ(2階)する」のように、1階がぐらつくと、2階、3階に影響が出る。

◆非認知能力の育ちについて、アメリカのジェームス・ヘックマン(幼児教育の経済学者/ノーベル経済学賞受賞)が行った研究に「ペリー就学前プロジェクト」というものがある。アメリカのシカゴのスラム街に住む、アフリカンアメリカンの親を2つの群に分けて行った長期にわたる研究。

8歳時点で子どものIQに差はなし。

 A群:親にも子どもにも何の働きかけもしない。

   →子どもの高校中退率高、生活保護、犯罪・逮捕歴高  

 B群:子どもを主体的に遊ばせる。

    先生が毎週家庭訪問をし、親に家庭教育支援を行う。

   →子どもの高校卒業率高、社会的安定、持家率高

という結果が出た。犯罪後の更生にお金をかけるよりも、幼児教育にお金をかけた方がよいという結論に至り、幼児教育の無償化が始まった。

 脳を育てるための睡眠や生活習慣の重要性等、脳科学に基づく、大変、興味深いお話をたくさんうかがうことができました。

【情報交流】

  参加者が自分の所属や日々接している子どもや親について、課題だと感じていること、その解決のために取り組んでいること、また、取り組んでみたいこと等について、4人グループで情報交流しました。その後、伝えたい人に発信するための合言葉を考え、全体交流しました。

[グループで交流する参加者]

[発信するための合言葉]

【受講者の声】                                   

◆脳の発達が非認知能力の向上に関わるということ、遊ぶことが脳を育てることなど、とても面白く分かりやすかった。内容も今後の親支援に活用できると思った。

◆理想であり大切と分かっていても、どう伝えれば分かってもらえるのか悩む点について、根拠を基に説明してもらえたので、正しい知識習得につながった。

◆幼児教育の大切さを改めて感じるとともに、家庭教育支援の大切さも実感できた。また、講師の先生とグループの皆様から元気をいただき、楽しく学ぶことができた。

◆様々な立場の人達から課題が出て考えさせられた。当学童の課題も見つかったので、職員で話し合いたいと思った。

【受講者の評価】                 

A (有意義)               82%

B (どちらかといえば有意義)       14%

C (どちらかといえば有意義でない)        4%

D (有意義でない)              0%

【担当者から】                    

「生活習慣」「早寝早起き朝ご飯」等、昔から言われてきていることの根拠が科学的に明らかにされてきていて、SNS時代の今こそ、「家庭教育支援」、「安定した生活習慣」が子どもの未来を、さらには、日本の未来をも左右すると言えるのではないかと思える研修会となりました。

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