人・つながり・地域づくり関係職員等研修講座(中央研修)
実施日:令和6年7月17日(水)
実施担当:[生涯学習推進センター]
事業報告
本研修講座は、「改正障害者差別解消法」施行に伴う合理的配慮の提供について、「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」についての理解を深め、障がい者の生涯学習推進の底上げを行うことや、障がい者の生涯学習を推進するための課題等について情報交換を行い、参加者同士のつながり作りを目的に開催しました。生涯学習・社会教育関係職員や各種学校の教職員・PTA等、12名の方々が参加しました。
【講義】障がいのあるなしに関わらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現 について

午前の講義は、「改正障害者差別解消法と合理的配慮」と題して、弁護士法人岩手銀河法律事務所盛岡事務所 弁護士 須山 通治(すやま みちはる)氏からご講義いただきました。
今年度より改正されたこの法律の目的、障がい者の捉え方、社会的障壁等、自治体や国民の責務、不当な差別的取扱い等、たくさんの内容について学びました。
法律の話ということで、会場内は少し緊張した空気が漂っていましたが、様々なエピソードを交え、時折笑いも起こり、終始、和やかな雰囲気に包まれ講義は進んでいきました。
神奈川県川崎市で行われた「バリアフルレストラン」を例に「社会がつくる障害」も多く存在するという話や、障害に基づく差別の被害者が利用しやすい苦情や救済の仕組みが十分に整っていないといった課題等についての話を聞き、社会全体を通して合理的配慮の目的や意義について十分に理解されているとは言えないと感じました。
【講義・情報交流】岩手県の共生社会実現に向けて、全国に先駆けてつくられた差別禁止条例 について

午後の講義は「知っていますか?『障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例』」と題して、岩手県障がい者110番相談室 専門相談員 長葭 千恵子(ながよし ちえこ)さんから講義をしていただきました。
『障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例』は、長葭氏の働きかけによりつくられた条例なのだそうです。
制定されるまでの間に東日本大震災といった困難があり、千葉県、北海道に続き、全国で3番目に制定された差別禁止条例で、そこに至るまでの経緯や背景を知るだけで胸を打つものがありました。
長葭さんの実体験や、普段あまり聞くことのできない障害を理由とした不当な差別や障害のある方の日常生活等について具体的なお話もあり、自分事として深く考える機会となりました。
【受講者の声】
- 法律のことだけでなく、できた背景を知ることができた。実体験に基づいたお話で参考になった。
- 普段の仕事の中に障がいのある人に対する配慮が普通にあるという環境を作っていきたいと改めて実感した。
- 障がい者の生涯学習支援の根底にある法律や目指す方向性をつかむことができた。
- 障害者差別解消法等、普段から障がいに関する部分に触れる機会が少ないため、勉強になった。
- 岩手県独自の条例があることを知らなかったので、もっと多くの人に知ってもらい、障がい者に対する理解が深まっていけばよいと思う。
【受講者の評価】
A(有意義) 50.0%
B(どちらかといえば有意義) 50.0%
C(どちらかといえば有意義でない) 0.0%
D(有意義でない) 0.0%
【担当者から】
今回の研修を通して、障がいのあるなしに関わらず、誰もが地域における役割を担い、誰にでも居場所がある地域づくりをしていくことで、みんなが幸せになるのではないかと強く感じました。「改正障害者差別解消法」「障害者虐待防止法」「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」と障がい者の権利に関する体制が整っているので、これらを十分に活用して、多様な存在や考えを認め合える、そして、誰にでも居場所がある地域づくりを進めてほしいと思います。今後も、各市町村や各施設の取り組みを支援できるような機会を少しでも多く提供していきます。

- 1 目 的
- (1)「改正障害者差別解消法」施行に伴う合理的配慮の提供について理解を深め、障がい者の生涯学習推進の底上げを行う。
(2)障がい者の生涯学習を推進するための課題等について意見を交流し、参加者同士のつながり作りの機会とする。
- 2 主 催
- 岩手県教育委員会
- 3 主 管
- 岩手県立生涯学習推進センター
- 4 対 象
- (1)県及び市町村の生涯学習・社会教育担当職員
(公民館・地区センター、図書館、博物館等職員を含む)
(2)地域づくり団体、NPO法人関係者
(3)市町村首長部局の地域づくり関係職員
(4)小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校の教職員
- 5 定 員
- 参集参加者:50名
- 6 期 日
- 令和6年7月17日(水)
- 7 会 場
- 岩手県立生涯学習推進センター
〒025-0301 花巻市北湯口2-82-13 TEL 0198-27-4555 FAX 0198-27-4564
- 8 受講申込み
- 「まなびネットいわて」から申し込んでください。
- 【申し込み締め切り7月11日(木)】
- 9 日程及び内容
- 【開会行事】 10:00~10:10 (受付9:30~)
【講義】 10:15~12:00
「改正障害者差別解消法、合理的配慮について」
講師:弁護士法人岩手銀河法律事務所盛岡事務所
弁護士 須山 通治(すやま みちはる)氏
「知ってますか?『障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例』」
講師:岩手県障がい者110番相談室
専門相談員 長葭 千恵子 (ながよし ちえこ)氏
- 10 携行品
- 筆記用具、所属で使用している名札、その他各自必要なもの
- 11 受講者旅費
- 派遣者において負担願います
- 12 その他
- (1) 昼食は、各自ご用意ください。
近隣のコンビニまでは車で10分程度かかりますのでご注意ください。
(2) 県立生涯学習推進センターまでの交通案内及び駐車場は下記よりご確認ください。
「まなびネットいわて」>[生涯学習推進センター]>[アクセス]
(3) 欠席の際は、岩手県立生涯学習推進センターまでご連絡をお願いします。