6.小学校高学年編②
~子育てワンポイントアドバイス~
6.小学校高学年編
(1)変わる社会
(2)高学年の心理
(3)反抗期を考える
(4)身体と心の変化
(5)身体の発達
(6)生活リズム
(7)家庭の性教育
(8)食生活で意欲を
(9)おやつの与え方
(10)大事な朝食
(11)手足に力を
(12)読書のすすめ
(13)家庭学習
(14)集団遊び
(15)必要な失敗体験
(16)親子でアウトドア
(17)地域で子育て
(18)生活習慣
(19)わが子のもち味
(20)親のタイプ
(21)ほめて叱る
(6)生活リズムの確立を
「早寝早起き」は、一日の生活リズムの基本となります。生活リズムが整えば、さわやかに目が覚め、朝食もしっかりとることができます。「眠る・起きる」は 健康な生活リズムづくりの第一歩です。
-生活リズムがくずれるとどうなるの?-
①自分で起きることができなくなります。
誰にも起こされないで自分で起きることは、一日の活動の始まりとしてとても 大切なことです。十分な睡眠をとっていれば、自然に目が覚めるはずです。
②朝食をとらなくなります。
朝、起きることができなければ、食べる時間も取れず、朝食抜きで登校することになります。 それが繰り返されることにより、朝食に対する感覚が麻痺し、食欲を感じなくなります。
③不規則な排便になります。
朝食をとらないから、腸に運動刺激が伝わりにくく、便秘になりやすくなります。
④頭痛、めまい、腹痛、気持ちが悪いなどの症状があらわれます。
自律神経のバランスがくずれて、体にいろいろな症状が現れてきます。
⑤がんばる気持ちがなくなります。
寝不足だと集中力がなくなり、がんばれなくなります。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
小学校高学年の睡眠時間は、9~10時間が一つの目安ですが、個人差があります。 多少短くてもすっきりさわやかに起きることができれば、子どもにとって「最も適した睡眠時間」と いうことになります。
(7)性教育は家庭から
小学校高学年は、思春期を迎える時期で、心身ともに大きな変化が見え始めます。性に対する意識が一層高まる時期で、興味も持ちます。ところが、 親は性に関する話を子どもにはしにくいもので、子ども達は様々なメディアから情報を仕入れていきます。時には、間違った情報やゆがんだ情報もあります。暴力や差別、性への蔑視、興味本位の取り上げ方の情報のみにさらされた子ども達は、それが正しく、当たり前だと思ってしまうでしょう。正しい知識を教えることと正しい情報の選択の仕方は 家庭でもふれていかなければなりません。
体の変化が始まる時期だからこそ、成長することの喜びを素直に感じさせるようにさせたいものです。 大人の体つきのようになっていくことへの驚きや嫌悪感、友達との比較による劣等感は、 大なり小なりどの子どもも感じることです。その時に、さりげなくアドバイスできるような 準備をしておきたいものです。また、男子には、射精(精通)、女子には月経(初潮)と いう大人への準備も始まることも話しておきたいことがらです。
小学校高学年は異性への関心も高まる時期なので、男女がお互いを認め合い、思いやる心を育てることが大切です。人に対していやがることや傷つくことを言ったりしないとか、人間らしく生きることについても家庭でしっかり教えていきたいものです。 性教育をする上でのベースとなります。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもの質問にどう答えたらよいか迷ったときは、ごまかしたりしないことが大切です。 「あなたはどう思っているの?」「わからないので調べてからね」と話すことから始めましょう。
(8)意欲に響く食生活
小学校の高学年期は、体が急に成長する時期です。特に女子は成人と同じ位まで大きくなる子もいます。立派な体を作るためには、必ず摂らなくてはいけない栄養素や食事の量もあります。空腹を満たすだけの食事ではなく、食事の量や食品の組み合わせ方を見直していくことが大切です。
この頃は、子どもが一人で食事をとるという光景も珍しくはなくなりましたが、一人の食事は栄養のバランスを欠くだけでなく、豊かな心を養う上でも悪影響を及ぼすことがあります。
一日に一回は、家族で食卓を囲み、楽しい会話をおかずにして食事をとるようにしたいものです。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
夜、遅い夕食は考えものです。寝る時間も考えながら、消化吸収の良いものを食べさせるようにしましょう。食べてすぐに寝るのは、肥満の原因になります。
(9)上手なおやつのあたえ方
スナック菓子、ビスケット、せんべい、菓子パン、ケーキ、果物…、 これらは小学生がよく食べるおやつです。この頃の傾向では市販のものが主流であり、手づくりおやつが上位にランクされるのは難しいようです。
おやつには、三度の食事でとれなかった栄養を補うことと、心を潤すという大切な役割があります。しかし、小学校の高学年ともなれば、一回あたりの食事量も増えてきますので、 基本的には三度の食事で十分に一日の栄養をとることができるようになり、 おやつはあまり必要なくなってきます。
疲れた体と心の元気回復のためには、必要なおやつであっても、エネルギー過剰にならないよう 「甘さ半分」の思いやりにすることが大切です。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
お店でお菓子を一緒に選んだり、食べる量を教えたりすることも、上手なおやつの与え方になります。
(10)朝食抜きでは頭も体も動かない
元気に走ったり、楽しく歌ったり、難しい計算をしたり、漢字を覚えたりするためには、体の中の筋肉や脳にエネルギーがしっかり詰まっていなければなりません。そのエネルギーの元になるのが、ご飯、パン、麺、芋といった、私たちが毎日食べる主食に多く含まれる炭水化物です。そして、もっと力を発揮するためには、肉、魚、大豆製品、卵などに多く含まれるビタミンB1が必要です。
朝、時間がないからといって、何も食べずに登校すると、エネルギー不足で勉強にも遊びにも十分なパワーを出しきれません。愛情がたっぷりつまった朝ごはんは、きっと子ども達の学校生活を楽しいものにしてくれることでしょう。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
どんなに素晴らしい朝ご飯でも、体に入らなければエネルギーにはなりません。 早起きをさせ、食べる時間を確保しましょう。