1. HOME
  2. ブログ
  3. メールマガジン
  4. すこやかMAG
  5. すこやかマガジン第862号

まなびネットいわて

すこやかMAG

すこやかマガジン第862号

1月25日配信

【見るのは年に1回で】

先日、書店の文庫本コーナーを見ていて、ふとタイトルに惹かれ手に取った本があります。その本のタイトルは『虫眼とアニ眼』。解剖学者で虫取り歴70余年の養老孟司さんと、アニメ界の巨匠である宮崎駿監督が、20年以上前に行った対談をまとめた内容です。読み進めていくと、衝撃の言葉が目にとまりました。皆さんも見たことがあると思いますが『となりのトトロ』を『見るのは年に1回でいい』というのです。

宮崎監督が、ジブリファンの方から『うちの子どもはトトロが好きで、もう100回くらい見てます』という手紙をもらったそうですが、そのときの心境をこう語っています。

「手紙がくると、そのたびにこれはヤバイなあと、心底思うんですね。誕生日に1回見せればいいのにって(笑)。結局、子どもたちのことについて、なにも考えてない。…(中略)トトロの映画を1回見ただけだったら、ドングリでも拾いに行きたくなるけれど、ずっと見続けたらドングリ拾いに行かないですよ。なんで、そこがわからないんだろうと思うけど。いっそビデオの箱に描きたいですね。『見るのは年に1回にしてください』って(笑)」

映画『となりのトトロ』は、お父さんと一緒に古いお化け屋敷のようなお家に引っ越してきたサツキとメイの二人が、森に住むトトロと出会い素敵な冒険が始まる、というストーリーです。その中で自然との共生を感じたり、二人の心が成長したりしますが、それをTVを通して見るばかりでは、自分の体験活動にはならないということです。

また、宮崎監督は次のようなことも語っています。「トトロが好きでずっと繰り返し見ていた子どもたちが成人して、スタジオ・ジブリに入社面接に来るけど、その人たちは『とてもやさしくて傷つきやすく、不器用でいい子』が多いのだ」と。強くたくましく成長するためには、バーチャルの世界だけでなく直接自分で体験することが大切なのだと、改めて感じました。

ジブリ映画は、年に数回TVで放送しますが、その時に見るぐらいでちょうどいいのかもしれませんね。

『虫眼とアニ眼』 (新潮文庫)  養老 孟司 (著), 宮崎 駿 (著) より引用

過去のすこやかメールマガジンは >こちら

☆子育てに関する悩みを一緒に考えます☆
子育て電話相談「すこやかダイヤル」 0198-27-2134
☆メルマガへのご感想、アドレス変更・配信停止はこちらへ(^_^)/
kosodatem@pref.iwate.jp

★==========================★
【発行・文責】岩手県立生涯学習推進センター
【HP】https://manabinet.pref.iwate.jp/hp/
【X(旧Twitter)】https://twitter.com/manabinetiwate
★==========================★

関連記事