8.思春期編⑤

~子育てワンポイントアドバイス~

(21)中学時代における父親、母親の役割

中学2年位になると急に無口になったりするものです。そんな時は無理に根ほり葉ほり聞こうとしないで、じっと見守っていましょう。親子というよりは「男は男同士」「女は女同士」 どこか伝わり合う部分が強くなってくる時期です。同性として積極的に子どもたちに関わってみませんか。

親が少年少女時代に、自分自身の失敗や戸惑いを語ることで、自分も父母と同じことを 悩んだり考えたりしていたのだということを知って、子どもは安心します。失敗を語ることによって 親の権威が落ちることはありません。かえって同性として身近に感じたり、「そんなことはしない方がいいな」などと自分を律する材料になったりするものです。

子どもの話はどんなささいなことでも真剣に耳を傾けてください。反対だと思うことやとんでもない要求でも、ゆっくり時間をかけて順序立てて聴いてください。途中で口ごもったりしても、 じっと待ちましょう。しっかり向き合ってうなずいて聴いてください。子どもは話しているうちに 自分の矛盾や無理に気付いてくるはずです。その時に父の立場、母の立場としての考えを話してください。 もちろん両親の考えは共通理解し、食い違いのないことが大切です。男子は、そろそろ父親との男同士の付き合いを望み始めるものです。ここ一番という時の父親の出番が要求される時期です。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
「聴く」というということは、子どものプライドを大切にしながら、お互いの会話を進める潤滑油です。

ページトップへ

(22)親子のだんらん

家族が無言でテレビを見て、番組が終わればまた無言でそれぞれの部屋へ戻っていく… 今や子ども部屋にもテレビがある家庭も多くなりました。寂しいことですね。夕食の時などちょっとだけ意識して家族全員で話す場を設定したいものです。食事はお腹を満たすとともに心にも栄養を与える時間でもあります。学習と行動面の話だけではなく、自らの周囲の出来事についてお互いの意見を出したりすると、案外、子どもの考えがしっかりとしていることに気付かされることがあります。

話し上手よりも聞き上手の方が対話をうまく進めることができます。子どもの言い分や考え方が未熟だと思っても、正しいところは大いに認め、また好ましくないあり方は機嫌をそこねることを 恐れず、しっかりと目を見て穏やかに教えてあげたいものです。

時には、親の方から相談を持ちかけ、頼りにするという姿勢を見せると、子どもは大人扱いされることが何よりも嬉しいと思う時期ですから、かえって自分を見直すきっかけになったりします。 家族の一人として、相談にのって欲しいという姿勢を大人が見せてもいいのではないでしょうか。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
 ○物わかりのよ過ぎる親ではちょっと心配です。
 ○一言のよけいな教訓はなるべくさけましょう。
 ○じっくりと聞くことで親も子も案外冷静になれます。

ページトップへ

(23)子どもと共に夢を語り合おう

現代社会のかかえる問題点に、家庭の崩壊、地域の教育力の低下、将来への見通しのもてないことなどがあげられます。そのような社会状況の中で、子どもたちが夢をもって生き抜いていくためにどんなことをしていけばよいでしょうか。

○自立した子どもを…
夢を実現させることが教育です。夢といっても将来のことだけとは考えず、身近な目標も夢と考えてみてください。目標(夢)を具体的に立てて、課題を実現させるための 実践活動をさせてください。それらの活動を通して子どもの感性、知性が育まれ、今、取り組まなければならない自分自身の課題に気付き、自ら解決することが自立につながります。

○夢を話題に…
中学時代には「夢=進学」と考えられがちですが、目標は高校進学でそれから先はまたその時考えればよいというのでは、若く、可能性をいっぱい秘めた時期を何の目的もなく無駄な青春時代を過ごすこととなります。

将来を見通し自分の好きなこと、打ち込みたいことに夢と希望をもって見つけることができれば 学習の目的や自分の課題がはっきりし、自分の世界を広げながら深めていけるでしょう。そのためにも親自身が多様な価値観をもつことが必要です

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもの成長に夢をもって、目標をもたせる前に自らが生き生きとした人生を…
「親の背を見て子は育つ」

ページトップへ

前のページへ 5/5