8.思春期編②
~子育てワンポイントアドバイス~
8.思春期編
(1)家庭生活の本質
(2)大切にしたいこと
(3)生活リズム
(4)思春期の心
(5)第二次性徴
(6)子どものストレス
(7)無防備なセックス
(8)わが家の味
(9)中2の学校生活
(10)学校週5日制
(11)進路指導
(12)勤労意欲
(13)いじめの対応
(14)不登校を始めた時
(15)社会の問題に目を
(16)ストップ・ザ非行
(17)ボランティア活動
(18)中学生の人権
(19)環境教育
(20)地域活動へ参加
(21)父母の役割
(22)親子のだんらん
(23)夢を語り合う
(6)子どものストレスを解消するために
友人と話をした後やスポーツをした後、気分が軽くなるとか、すっきりするといったことは、 誰もが経験があると思います。
この言葉に出して話す言語化と体を動かす行動化が、ストレス解消の二つの柱となります。
言語化は、友だちだけでなく、家族や、場合によってはペットに向かって話すことで、 行動化はスポーツ以外にも友だちと一緒にゲームをしたり、家族でキャンプに行くことでストレスを解消します。
しかし、信頼できる家族や友人がいないと、うまく言語化や行動化ができなくなり、家庭内暴力や非行、いじめなどの非社会的行動化をおこすおそれがあります。また、そのストレスの攻撃性が内側(自分)に 向けられたときには、神経症や心身症といった精神症状をおこします。
ストレスを言語化や行動化で解消することは、誰にとっても大切なことですが、 思春期という嵐の中でストレスを受けやすい状態の中学生にとっては、特にも必要なことです。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもが電話で長話をして困るといった話をよく耳にします。ある程度は大目に見ることも必要です。
(7)無防備なセックス
「愛していればセックスするのは当たり前」という風潮が若者たちの間に見られ、 セックス経験のある中学生の割合は10%を超えています。「うちの子に限っては」とか、「まだ子どもだからそのようなことはしない」と思っている親も多いと思いますが、この現実に対し、あまりに無防備といえます。
妊娠してしまい、産婦人科を受診した中学生の両親が、「まさか自分の娘がそのようなことをするとは思わなかった」という話もあります。
子どもが中学生になったら、男の子に対しては父親が、女の子に対しては母親が、望まない妊娠を防止するため、性感染症にかからないため、セックスをしてはいけないと きちんと伝える必要があります。
今、行われている避妊法で100%完全な方法はなく、エイズをはじめとする性感染症の危険性もあります。もし妊娠してしまえば、その子どもの心には大きな傷が残り、性感染症にかかれば、 治癒した後でも血液検査でわかる痕跡が一生消えずに残ります。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
無防備なセックスが行われたとき、72時間内であれば、産婦人科で緊急避妊ピルを処方してもらうことができます。早ければ早いほどよいのですが、二錠服用することで、有効率97%とかなり効果があります。
(8)わが家の味
「食べる」ということは、生命の維持だけでなく、「共食」を通して人間的な結び付きが生じ、 「おいしい」「楽しい」という心理的な満足感を与えるものです。市販の惣菜は、手軽で便利ですが、 味に飽きることはありませんか?
家庭のおかずは、知らず知らずのうちに、家族一人ひとりの好みや体調、天候、前日の献立をもとに、 味付けや食材の組み合わせが工夫がされ、飽きることがないのです。時には、失敗もありますが、 次へのステップですし、食卓の話題づくりに一役買うでしょう。
共働き家庭が増え、食事づくりに時間がかけられず、つい市販のお惣菜に頼りたくなります。 市販品には保存料・添加物など、長い目で見ると不安な材料が使われていることがあります。 少量でも、成長期の子どもには、これから長い間摂取していくことを考えると、新鮮な材料を使って 責任のもてる食事を与えたいものです。
大人ばかりでなく、子どもの生活も忙しくなり、時間を決めて家族そろって食事をすることが難しくなってきています。家族そろっての食事は、共通の話題を深めるチャンスであり、楽しい食卓となります。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
お弁当は親から子どもへのメッセージ「3年間、毎日のお弁当作りありがとう。おいしかったよ」卒業式の会場にいた母親たちの苦労が報われた一瞬でした。
(9)中学2年生の学校生活
~中学生の意識調査から~
中学2年生は、学校生活をどのように感じているのでしょうか。
平成12年に県教育委員会が行ったアンケート調査によると、全体の約半数の子どもたちが、 「学校生活は忙しい」と回答しています。その理由として、「クラブ活動(部活動)や スポーツ少年団活動が忙しいこと」を一番にあげており、次いで、「勉強することが多い」 「休み時間が少ない」などをあげています。
では、中学2年生は、今、何を一番がんばっているのでしょうか。「あなたが、 今がんばっていること」という問いには、学校生活が忙しいと感じる理由で最も多かった 「クラブ活動やスポーツ少年団活動」が一番で、「自分の興味あることに取り組むこと」が 二番目になっています。
これらのことから、本県の中学2年生は、クラブ活動や少年団活動によって、学校生活が忙しいと 感じているものの、今打ち込んでいるのもクラブ活動やスポーツ少年団活動であることがわかります。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
活動の目的や目標を明確にすることや活動に取り組む価値を見出すことが、活動意欲を高めます。
(10)様々な体験をさせよう
土曜日や日曜日を利用して、家庭や地域社会で子どもたちが、様々な生活体験や社会体験、文化・スポーツ活動などをすることが望まれています。
文部科学省の調査では、「小さい子を背負ったり、遊んであげたりする」「果物の皮をむいたり、野菜を切ったりする」「昆虫を捕まえたり、魚を釣ったりする」などの生活体験や自然体験の豊富な子どもほど、「友だちが悪いことをしていたら、やめさせる」「バスや電車で席をゆずる」などといった道徳観や正義感が身についているという結果が出ています。
県や市町村などでも、子どもたちが休みの日を有意義に過ごせるように、さまざまな体験活動の場や機会の充実に努めています。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
県や市町村の広報誌や各学校の広報には、体験活動の情報が掲載されています。親子で参加できる活動を探してみませんか。