5.小学校中学年編④

~子育てワンポイントアドバイス~

(16)集団遊びを子どもたちへ

この時期の子どもは、親から離れて友だちと遊ぶ集団を形成し、 活発に活動する中で様々なことを学びます。

子どもたちは、集団としての遊びの中でお互いに競争したり、対立したり、 役割を分担したりしながら、ルールを守ること、責任をもつこと、助け合うこと、 弱い者をいたわることなどを身につけていきます。人間として、生きていく上で 大切な社会性の基礎が養われていくのです。

最近、群れて遊ぶ子どもの姿が少なくなってしまいました。家に閉じこもってゲームや マンガにばかり夢中になっている子どもたちに戸外で仲間と群がって遊ぶ楽しさを取り戻すのは、 容易なことではありませんでも、それは親のつとめではないでしょうか。それでは、子どもの遊びについて親はどう対応したらよいのでしょう。

まず、第一に、遊びを否定的にとらえがちな大人の見方を改めることです。 児童期の遊び体験の不足は、生き生きとした心の発達を妨げ、 精神的未熟児にしてしまうおそれがあります。子どもの遊びへの意欲をかきたてるような 育て方を考えていきたいものです。第二に、大切なことは、子どもの遊びの条件を整えることです。 子どもが群れて遊べる様な環境や機会を積極的につくり出していくのも親や地域の大きな努めです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもの社会性を育てるには、まず、親が地域の催し物に参加することです。そして、子どもたちを地域の活動や子ども会の行事に積極的に参加させましょう。 人は多くの人とふれあえばふれあうほど、社会性が身に付いてきます。親は子の鏡です。

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(17)たくましい子どもを育てる自然体験

子どもは、人や文化とのふれあいとともに、自然の中でのいろいろな体験を通して、 健全な発達をとげていきます。

しかし、子どもをとりまく環境は大きく変わってきています。遊びについても、人間形成に大きな影響を与えてきた自然とのかかわりが、次第に失われつつあります。 本来、子どもたちは、泥んこになって、無心に虫とりや魚とりに興じ、 木登りや山登りに汗をかきます。そうした体験を通して驚きや感動を体験し、 豊かな感性を育むとともに、自然や環境を大事にする心やがまんすることの大切さなどを学びます。今の子どもにこそ自然体験は、必要ではないでしょうか。

自然環境の破綻が進んでいるとはいえ、岩手の場合は、まだまだ自然に恵まれています。 もっともっと、自然とのふれあいをすすめたいものです。

親がしなければならないことは、自然とのふれあいのための仲間、時間、場所などをつくることに理解を示すことです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆

青少年向けの、自然とのふれあいをすすめる様々な催しに参加させることも必要です。 自分の少年期の自然体験を積極的に話して聞かせ、一緒になって行動してみましょう。

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(18)地域とともに子育てを

子どもたちは、家庭だけでなく、地域や学校から様々な影響を受けて育ちます。

特にも、地域からは、人間とし生きていくための知恵を、実践を通して教わります。そこから学んだことがらは、生きていくための大きな支えとなります。自分の住んでいる地域の素晴らしさやそこに住む人たちに支えられて生きているということを実感させるためにも、地域で行われる様々な活動に親子で参加することが大事です。

あなたのお子さんは、大人に混ざって祭りで神輿をかついだり、公園の清掃をしたり、 スポーツ大会に参加したりしたことがありますか。

地域の自治会等では、世代を超えた様々な活動が行われています。中学年の時こそ、 地域活動に参加させるよいチャンスです。いろいろな人たちと交流を深めることで、 地域の子どもとして認められていきます。大人のあたたかなまなざしの中で成長できることは、子どもにとっても親にとっても素晴らしいことです。地域の中にとけこんでいけば 「隣は何をする人ぞ」といった感じはなくなります。子育てについての不安や悩みだって気軽に話し合えるような関係もできてくるのです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
地域の行事では、大人が手を出し過ぎないようにしましょう。子どもがお客様になってしまっては、本来育つべき自主性や連帯感が影をひそめ、依頼心ばかりが強くなってしまいます。

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(19)学級PTA活動をさかんに

子どものすこやかな成長を図ることを目的としたPTA活動を通して、親もまた成長していくものです。年に何回かのPTA行事には、積極的に参加しましょう。また、学級の親同士が話し合う機会をもつこともおすすめします。

学級懇談会に参加して、子どもの学習の様子だけでなく、親の自己紹介や家庭のできごとなどを話して、親と先生が親しくなることも立派なPTA活動です。

家庭や学級での子どもたちの様子についてお互いに情報交換をすることは、子どもの変化を発見する手がかりになるかもしれません。運動会、学習発表会等での親の目から見た子どもたちの良さを話題にすることは、親同士の交流を深めることになるでしょう。そして、わが子の友だちをさらに理解することにもつながります。学級のどの子の良さも話題にできる学級懇談会をやってみませんか。親の失敗を語ることができればもっと親密になれるでしょう。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
オールマイティな人はいません。同じ悩みをもつ人や失敗の経験がある人に親近感を覚えるものです。親同士で失敗を語ることは恥ではありません。むしろお互いにより近付くことになります。

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(20)長所と短所は表裏~わが子の持ち味を~

わが子の長所と短所をあげてみてください。どれくらい長所をあげられましたか。残念ながら短所の方が多かったのではありませんか。

試しに短所を長所に翻訳してみませんか。落ち着きのない子、 勉強も作業もマイペースで行う子等々、どれもイライラしますね。 でも、元気があふれている子、何にでも興味がある子、納得しながらやっていく子、慎重な子のように翻訳してみるのです。短所を責めて文句を言っても親の思うようには変わりません。かえって子どもを落ち込ませることになります。「時間をかけて丁寧にしたいんだね」「くわしく知りたいんだね」と前向きに子どもに応えてあげましょう。そして、「~すればもっといいかもね」と向上のヒントを必ず添えるようにしてみましょう。 短所を指摘されても、どうすればいいのか子どもは迷っているのです。 どんな小さなことでも良さをみつけほめることで、子どもは自信をつけます。 個性は長所も短所も含めてのものです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
個性の尊重とは、子どもを自由にさせ甘やかすことではありません。 自分の良いところに気付かせ、正しく伸ばしていけるように導いていくことです。

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