5.小学校中学年編③
~子育てワンポイントアドバイス~
5.小学校中学年編
(1)楽しい家庭
(2)ギャングエイジの心
(3)ギャングエイジの体
(4)ヤングエイジの体
(5)生まれたときのこと
(6)命の尊さ
(7)運動能力
(8)遊びで体力づくり
(9)生活リズム
(10)大事な朝食
(11)おやつと食事
(12)楽しい学校
(13)親と教師の関係
(14)読書のすすめ
(15)机に向かえば?
(16)集団遊び
(17)自然体験
(18)地域とともに
(19)学級PTA
(20)長所と短所
(21)ほめてしかる
(22)子どもと向き合う
(11)おやつと食事
成長期の子どもにとって、”おやつ”を食べることは、栄養を補給するだけでなく、心理面でも大きな役割を果たしています。しかし、そのおやつのとり方によっては、 肥満や、むし歯など健康面においてさまざまな悪影響が出てきます。
子どもの好きなおやつに、アイスクリーム、スナック菓子、あめなどの菓子類、 カップめんなどの食事に近いもの、炭酸飲料、ジュースなどの飲み物があげられます。 このように口当たりが良く、あまりかまなくてものどを通るようなものをとり続けることが、 食事時間に空腹を感じない原因になります。特に夕食後のおやつや夜食は、翌朝の食欲不振につながります。
成長期の間食は、1日の栄養摂取の中で不足しがちなカルシウムや鉄などの無機質やビタミン類を適切に補う食品や、その量についても理解させることが大事です。 そして、自分でその選択ができるようにすることも必要です。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
〇おやつは時間を決めて与えましょう。欠食・夜食はよくありま
せん。夜食は、肥満の原因になります。
〇手作りのおやつは、甘味や塩味の調整ができますし、親子のふ
れあいにもなります。 たまには親子でおやつ作りをするのもど
うでしょうか。
○おやつは食事の一部と考え、1日に必要なエネルギー量の10~
15%程度にとどめ、 糖質や脂質、塩分のとりすぎに注意しまし
ょう。
○給食のない日や休日には、牛乳を飲まない子どもが多く、カル
シウムの不足が見られます。 おやつに牛乳を飲むことを忘れず
に!
(12)楽しい学校
最近、広場や路地で仲間と遊ぶ子どもの姿をほとんど見かけなくなりました。
今や学校は子どもたちにとって数少ない友だちとの交流の場です。また、人間として生きるために大事な社会性を学ぶ場でもあります。 お互いの成長をみんなで励まし、喜び合うことで、うれしさが何倍にもなり、 それが子どもの頑張るエネルギーになります。
前にこんな話を聞いたことがあります。縄跳びがとても盛んな学校で、 子どもたちは記録を競い合い、暇をみつけては練習をしていたそうです。 そんなある日、A君という子が難しい技で先生の記録を超え、まわりのみんなから拍手喝采を浴びました。そのことをきっかけにA君は自信をもって何事にも挑戦するようになり、成績も飛躍的に伸びたということです。
学校は友だちや先生と集団で過ごす場所ですから、そこにはそれなりのルールがあります。 一人一人がルールを守り、友だちと力を合わせて物事を成し遂げていく中にも、また、 大きな喜びがあります。
子どもの成長を見守る大人としては、学校が子どもにとってかけがえのない場所であることを心にとめ、そこでの人間関係を大事にするように励ましたいものです。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
良い集団が良い人間性を育てます。親は、子どもの友だちを大事にしたいものです。
(13)親と教師の関係づくり
気がねなくどんなことでも親と教師が話し合えたらどんなにいいでしょう。
教師には評価という仕事もあるために、親としては、何か言ったら子どもが不当な扱いを受けるのではないかと心配な気持ちもあって、先生と向き合う時には、つい構えてしまうのではないでしょうか。
教師の方も、一人一人の子どもが能力を発揮できるよう指導に努めてはいても、 まだ十分ではないと思って、申し訳ないという気持ちでいるかも知れません。
子どもの幸せという共通の願いを持ちながら、親も教師も、お互いの気持ちを考え過ぎて遠慮している場合もあるかもしれません。
困ったことがなくても、普段から機会をとらえて教師に声をかけることをおすすめします。 話してみることで、子どもを見る目が広がり、子どものいろいろな面が見えてきます。
親と教師の良い関係が、親や教師に対する子どもの信頼を深めます。この信頼の深まりが 良い子どもを育てます。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
教師と笑顔であいさつを交わし合い、気軽に声をかけ合う関係ができたとき、 子どもの目がもっと輝いてきます。
(14)読書のすすめ
テレビからは、以前は本でしか読めなかった名作が映像化され、次々に流れてきます。 また、必要な知識や情報もインターネットで世界中からあっという間に手に入れることができます。でも、テレビもインターネットも、情報が次々に目の前を通り過ぎて行くので、子どもたちが自分で想像し、自分の考えを組み立てるゆとりがありません。
読書は、自分のはやさで読み、自分の経験を通して考えたり、想像したりするので、そこにはだれとも異なる「自分の感動」があります。そして、その「自分の感動」は、 自分自身(人格)をつくっていく大事な糧となります。
子どもの時にプレゼントにもらった絵本がもとで、トロイの遺跡を発掘した シュリーマンの話はあまりにも有名ですが、一冊の本が人間の一生を左右するというのは、 シュリーマンに限らずよくあることです。
忙しい毎日の暮らしですが、子どもと一緒に本を読んでみましょう。 いつもより会話がはずむことになります。子どもはそのように自分に向き合ってくれる親の深い愛情を肌で感じ取るのではないでしょうか。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
本を選ぶときの親とのはずむ会話、夢のある絵本や文、未知の世界への誘い…。
一冊の本を巡ってたくさんの楽しさがあります。
(15)机に向かっていればいいのでしょうか?
子どもたちには、机に向かう勉強の他に、生活の中からいろいろなことを学ぶ機会がたくさんあります。
たとえば、親と夕食の買い物に出かけると、野菜や魚の名前を見ているうちに漢字を覚えます。また、りんごを5個買えば、かけ算やおつりの計算が始まります。商品がどこでつくられたか、あるいは、産地はどこかなどを話し合えば、社会科的な見方が身に付いてきます。
こんな親子のふれあいからでもいい勉強ができます。
生活の中で、ものの見方や考え方を広め、深めていくことは実に見えない学力となって蓄積され、 学習効果をあげる原動力となるのです。この見えない学力が、「生きる力」なのです。
学校の「総合的な学習の時間」では、 知識を教え込む授業ではなく、自ら学び、自ら考える力の育成と学び方や調べ方を身に付けけることをねらいとした授業が繰り広げられています。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
「総合的な学習の時間」で重視されている内容には、自然体験やボランティア活動、ものづくりなどの体験的な学習や問題解決的な学習などがあります。各学校では、それぞれの特色を生かした計画を立て、「生きる力」を育てていきます。
家庭でも、机の上での学習だけでなく、いろいろな体験をさせるよう試みてください。