5.小学校中学年編①

~子育てワンポイントアドバイス~

(1)楽しい家庭

いつも、家族みんなが励まし合い、支え合って暮らしていますか。

「あー、家はいいなあ」と互いにくつろぎ、元気を回復するところが家庭です。そして家庭は、子育ての学校なのです。家族が尊敬し合い、いつも仲良く過ごしていることが条件になります。こういう家庭からは非行に走る子は出ないと言われています。

子どもは、毎日、教科書も時間割もない暮らしの中で、知らず知らずのうちにお手本の両親とじかにふれあい、五感を総動員して人間関係のルールや人としての生き方を身につけていきます。だから、両親のしつけや人生観が一致していることが大切です。

みなさんは、いかがでしょう。

昔から「子どもは親に似る」と言われます。「親の言う通りよりも、やる通りの子」が 育ちます。だから、親は「生きた教科書」なのです。さり気ない日々の暮らしの中で、 気負わず、気長に、家族みんながそれぞれの役割を果たし、共感し合って温かな人間関係を育んでいきたいものです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
楽しい家庭づくりの特効薬はどこにも売っていません。家庭はつくって与えるものではなく、 家族が創意工夫し合い、「つくり上げていく」ものです。

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(2)ギャングエイジの頃の心

小学生も中学年になると、「何でもできるぞ」と行動的になってきます。 今まで柔順だった子が反発したり、強く自己主張したりします。

これは立派な「自我の芽生え」で、あわてる必要はありません。ゆったりとした気持ちで見つめる心が大切です。また、この時期は急に仲間を求め、友だち付き合いも増え、集団で行動することが多くなり、「ギャングエイジ」とも呼ばれます。仲間意識が一段と強まる時期なのです。

友だちも、単に数が増えるだけでなく、異年齢や異性の友だちへと広がる重要な節目でもあり、 様々な集団に属する喜びやルールも身に付けていきます。

ただ、判断力はまだまだ甘く、暴走しがちなので、手は離しても目は離せない時期です。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
この年齢でポツンと取り残されているような子には注意が必要です。決して強制してはなりませんが、仲間外れやいじめのターゲットになっているような場合は、 大人の配慮や支援が必要となります。

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(3)ギャングエイジの頃の体 ~発達傾向~

小学校3年生頃になると、体の発達に個人差や男女差が見え始めてきます。 今までの子どもの体形から、身長や体重が増え、また筋肉の発達が見られ、 少しずつ大人の体へ近付いてきます。

身長では、平均すれば小学校3年生までは男子の方が高く、4年生頃で男女同じ位になり、 5年生になると女子の方が高くなっていく傾向があります。中学生になるとまた男子が女子を 追い抜くことから、女子の体の発達・変化は男子に比べて少し早めにスタートするようです。

3年生頃から女子は体つきにも変化があらわれ、胸が少しずつふくらんだり、 腰まわりがふっくらとし、丸みをおびた体つきになり、初潮を迎える子もいます。 このような変化の現れる時期は年々低年齢化しています。

成長に個人差や性差が見られるようになると友だちと体を比べたり、感受性が高まるなど心の変化も出てきます。個人差はあっても体は確実に成長しているのですから、 一人一人の成長を家族がしっかり受け止め、温かく見守ってあげることが大切です。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
心と体の成長にアンバランスを生じがちなこの時期の子ども、一人一人の成長を見守り、 悩みを聞いてあげましょう。

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(4)ヤングエイジの頃の体 ~性について~

性教育とは何でしょう。とかく「性」だけを独立させて考えがちですが、 基本は生命の尊さや自分とは人間とは何かを学んでいく「生き方教育」 と言われています。

体の発達が早まり、性について興味や関心をもつ時期も低年齢化してきています。 テレビや雑誌などから性に関する情報があふれる現状では、子どもたちが正しい知識を得る前に興味本位に情報をうのみにしていくことが心配です。

学校では保健や道徳の授業など多方面から性教育をすすめています。

平成14年度には、保健の授業が3年生から導入されることになりました。 学習だけでなく集団生活の中でも、望ましい人間関係や心と体を大切にする気持ちを学んでいます。

家庭では、家族が生活の中で信じ合い、尊敬し合い、助け合う姿を見て、 命の大切さや生きる喜びを学んでいくことでしょう。難しく考えず、 学校で学んできたことをきっかけに、あるいは一緒に本を読みながら、 お風呂に入りながら、心のことや体のことを子どもと明るく話してみませんか。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
何でも話せる親子関係や日常生活そのものが性教育のための最高の環境です。 子どもと一緒に悩み、考えましょう。

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(5)生まれたときのことを教えて

「誕生日」、それは大切な”新しい命”が生まれた日です。お子さんに、生まれた時のことを 話したことがありますか。自分がどのように大切に育てられ愛されてきたかを、 心や体が少しずつ大人に近付いてきているこの時期に考えさせたいものです。

パパやママ、おじいさんやおばあさん、そして家族みんながその命の誕生を待ちこがれていたことを話してほしいものです。ママのお腹の中で大きくなったときのこと、 出産をひかえ大変なママを支えてくれた家族のこと、そして生まれた日のこと、どんな願いで自分の名前をつけてくれたか。そんな話の中で、きっと家族の中の「自分」を再確認することでしょう。

そして何人もの命を受け継いだ「新しい命」の重みと喜びを知ることで、命を大切にする気持ちや困った時にも負けない強い心をもつことができるでしょう。

誕生日とは、自分を生んでくれたお母さんに感謝する日であり、自分の成長を心から喜んでくれる家族にも感謝する日であることに気付くことができたなら、どんなに素晴らしいことでしょう。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
自分の誕生までに両親や家族には、さまざまな苦労や喜び、楽しみがあったことを話す中で、 命の大切さにきっと気付いてくれるでしょう。

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