7.中学校編②
~子育てワンポイントアドバイス~
7.中学校編
(1)社会が変わっても
(2)思春期のこころ
(3)中学生のストレス
(4)反抗は自立のため
(5)身体の発達傾向
(6)生活リズム
(7)家庭の性教育
(8)大事な食生活
(9)朝食抜き
(10)夜食は必要?
(11)将来のことを話題に
(12)勉強の環境づくり
(13)再学習のすすめ
(14)勉強すればいい?
(15)クラブ活動
(16)良き友を持つ
(17)いじめ?
(18)地域の一員として
(19)子離れ準備
(20)おやじの出番
(21)言うべきときに
(6)生活リズムの確立を
快食、快眠、快便は、「早寝早起き」の生活リズムから成り立ちます。 ところが、最近、「遅寝遅起き」が原因となり、自立神経のバランスをくずし、 午前中、調子が悪い子どもが増えてきています。
~生活リズムがくずれると~
①自立起床ができない
誰に起こされるのでもなく、自分で起きることを自立起床と言います。十分な睡眠をとっていれば、自然に目覚めるのは、当たり前。 自立起床は一日の活動の始まりに重要です。
②朝食をとらなくなる
自立起床ができない子どもほど、食べる時間がとれなくて、朝食抜き登校になります。 それが、繰り返されることにより、朝食に対する感覚が麻痺し、食欲を感じなくなります。
③不規則な排便になる
排便は人間の生体リズムにとって、一日の活動を計る最も大切な新陳代謝行為です。 朝の排便ができないにしても、一定間隔で排便ができればよいのですが、便秘になりがちとなり、 体調をくずす原因となります
④不定愁訴の症状
朝から、頭痛、腹痛、めまい、気持ち悪いなどの症状がでては、勉強や運動に身が入りません。一日の活動が、もうここでストップです。
これらが繰り返されることで、体がすっきりせず、エネルギーも消失しやすくなります。 規則正しい生活を送ることの大切さは、ここにあるのです。
※不定愁訴と起立性調節障害
起立性調節障害とは、思春期に起きる自律神経失調症の一つで、自分ではどうしようもない病気です。不定愁訴の状態が改善されず、生活に支障をきたしている場合は、起立性調節障害の疑いもあります。小児科医に相談してみましょう。
(7)性教育はあたたかい家庭から
体と心がどんどん変わり、親よりも友達を好きになる頃、「思春期の入口立つ」と言われます。 思春期というのは、一瞬のことではなく、12~13歳の頃から18歳頃までをさします。 思春期を迎えた子どもは、私達大人が考えもしないことに興味を持ち、また、思い悩みもします。
特に性に関しては、様々なメディアから情報を仕入れていきます。時には間違いがあった 情報やゆがんだ情報もあり、それをそのまま吸収してしまうこともよくあります。 性を誤って認識してしまう前に、正しい情報を与えることが大切です。
子ども達のそれぞれの体の成長や性意識の個人差が大きいからこそ、生活を共にする家庭での性教育の必要性があるのです。と言っても、身構えて「性教育を」というのではありません。あたたかい家庭が性教育の最良の場です。両親の生活態度や会話を見聞きしながら、両親が深く信じ合い、 尊敬し合い、愛し合う姿を見て、子ども達は結婚生活の意義や男女の愛を知り、そして生命の尊さや生きる喜びを学びます。
家族のふれあいの中で、「正しい性=生」を育んでいきたいものです。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
親は一番身近なモデルです。大人としての生き方や思いやりのある接し方を暮らしの中で さりげなく見せましょう。
(8)食生活がやる気を左右
思春期は、乳幼児期に次いで発育が盛んになり、将来、健康な人生を過ごすためにしっかりとした 体をつくる大切な時期です。特に女子は、母となり、丈夫な子どもを生み育てるための準備の 期間でもあります。
ところが、この時期は、自分達の生活リズムに合わせて、一人で食事をとってしまうことが多くなるだけでなく、受験へのストレスからくる過食や拒食、美容のための誤った減食や欠食などが 目立ってきます。不規則な食生活を続けていると、病気とまではいかなくても、イライラしたり、集中力がなくなったり、疲れやすかったりという症状が現れはじめ、 何事にも消極的になりがちになってしまいます。
子ども達が健康で生き生きした学校生活を送るために、まずは、我が家の食生活を見直し、 子ども達の食習慣の自立を支援しましょう。
(9)朝食抜きではパワーダウン
一日6時間の授業と部活、ともなれば、体にも頭にも相当なエネルギーや栄養が必要になってきます。
それなのに、朝食をとらなかったり、コーヒー一杯とパン一切れ程度の不十分な朝食のまま登校すると、 脳や神経系の器官へのエネルギー供給量が低下してしまい、その結果、頭がボーッ、あくびがファ~。 思考力、集中力も共に低下し、午前中の授業にパワーは発揮されません。
豪華な料理でなくとも結構。ネルギー源となる糖質を含むご飯やパン、麺といった主食をしっかりとり、さらにパワーアップするために必要なビタミンB1を多く含む肉、魚、大豆製品、卵を上手に組み合わせましょう。
「ビタミン愛」がたっぷりつまった朝ご飯は、きっと子ども達の学校生活をより楽しいものにしてくれることでしょう。
~お手軽朝食メニュー~
・野菜たっぷり卵雑炊
残りごはんに野菜をたっぷり…コンソメで味を整え、卵をポーン
・納豆丼
あつあつのご飯に納豆と刻んだほうれん草、チーズ、しらす干
をトッピング
・サンドウィッチ
ハム、ベーコン、ゆで卵なんでもはさんじゃえ!
フルーツヨーグルト和えもそえると、カンペキ!
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
朝は、大人も子どもも大忙し。そんな時、冷凍食品などは強力な助っ人。 それだけというのは困りますが、パッケージの栄養成分表示を参考に、短時間でおいしい朝食をつくってみませんか。
(10)夜食って、必要なの?
熱心に勉強していたら日が変わってしまったということもよくあること。頭を使うことは、意外とエネルギーを消費するのです。がんばっているんだから何か食べさせなくちゃと思うかもしれませんが、寝る前の食事は、肥満の原因になったり、安眠を妨害したりすることがあることをご存知ですか?
寝る前に食べ過ぎたり、消化の悪い物を食べたりすると、いざ寝ようと思っても、 胃や腸が消化活動を活発にし続け、そのために寝つかれないことがあります。 その結果として、朝起きられなくなってしまいます。その上、夜食でとったエネルギーが 使われずに蓄積されるために太ったり、コレステロールが増えたりするなど、健康を損ねる原因となります。
反対に空腹すぎると、脳が刺激されて興奮状態になり、これまたなかなか寝つかれず、 朝寝坊となってしまいます。さらに、睡眠不足による食欲不振で、朝食抜きの登校へとつながりかねません。 温めたミルク程度にしたいものです。
夜食づくりは、受験勉強の支えにあらず。子どもの健康を阻害する夜食よりも、一日の中で最も大切な朝食を作ったり、食べたりできるよう、親も子も朝型の生活に切り替えていくことをお勧めします。
◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
太った子でもやせている子でも夜食をとれば、とらない子に比べてコレステロール値が高くなります。心臓病、糖尿病、高血圧症などの予防は、子ども時代からでも早過ぎるといいうことはありません。