7.中学校編③

~子育てワンポイントアドバイス~

(11)将来のことを話題にして

「進路=受験」と考えがちですが、それで良いのでしょうか。

「何が何でも高校に入らなければ。合格さえできればどこでもいい。それから先は、また、その時になってから考える」というのでは、学ぶ喜びも楽しみも、 張り合いもないのではありませんか。

勉強は、受験のためにだけあるものではありません。大人になった自分の姿を描いて、そのためにどんな力を身に付ければ良いのか、それにはどのような方法があるのかなどと探っていくことによって、進路選択が具体的になっていきます。

将来を見通し、自分の好きなもの、打ち込みたいものが見えるようになると、 勉強も本物になります。できるだけ早い機会にその方向を見つけ出す手助けをすることが、大人としての責任でもあります。好きなもの、打ち込みたいものがやがて変わったとしても、無駄にはなりません。子どもは自分の世界を広げ、深めて成長していきます。

最近求められている社員像を見ると、実力や人間性を重視するようになり、学歴主義から実力主義にかわりつつあります。いかに生きるかが問われてきています。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
見栄えの良い職業でも、一歩、内に入ってみると予想を越えた厳しさがあります。働くことの喜びだけでなく、厳しさや忍耐、コツコツと積み上げることの大切さなどを話題にしたり、 一緒に確かめたりする機会を作ってみませんか。

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(12)勉強できる環境づくりを

おいしく朝ご飯を食べていますか。楽しく夕食を味わっていますか。食卓での会話は弾んでいますか。 おいしい食事と楽しい語らい、これは子どもが勉強に精を出せる環境づくりの譲れない条件です。 胃袋が満たされ、和やかな雰囲気の中で、落ち着いた気分になれば、勉強にも目が向いていくことでしょう。

快食、快眠「快勉(強)」の原動力です。

「胃袋は脳を作る」名言だとは思いませんか。

しかし、いくら、食事が大事だからといっても、夜食はいりません。 夜中の勉強は、とかく身につかないものです。寝るときにしっかりと寝て疲れをとることが大切なことです。今からでも遅くはありません。親子そろって、 早起き組に転向しましょう。親は自分の仕事に、子どもは朝の勉強に精を出しましょう。 親子で新聞を読んで、朝ご飯を食べながら話題にするのもいいですね。親子で活字文化に親しみ、 そこから会話が弾むとおのずと国語の力が身につき、他の科目の成績を押し上げる原動力となります。 毎日続ければ、気が付いたら、子どもに力が付いていたという具合になるでしょう。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
会話がないと嘆くより、話の種となるような共通の話題を見つける努力をしてみませんか。 口を開けば、小言ばかりでは、そばにいくのさえいやになってしまいます。

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(13)再学習のすすめ

子どもが小学生の頃は、宿題の手伝いのため、何度ものぞいたりした教科書。中学生になったとたんに見る機会もほとんどなくなったのではありませんか。

たまに漢字の読み方など聞かれるとちょっとドキドキ。読めなかったら親のメンツにかかわるなんて思ったりしませんか。読めなくたって、大丈夫。「読み方、忘れたナァ。いっしょに辞書を引いてみようよ」 「ずいぶん難しい事を習うようになったんだね」と素直に感心してください。

たまには、ちょっと教科書をのぞいてみましょう。自分が中学生だった頃に読んだり、 習ったりしたことを改めて目にとめてみると、あの頃とは違った新鮮さでせまってきます。 特に国語の教科書にのっている文学作品など、当時の印象とは違ったものを感じるのではないかと思います。 ひょっとしたら、中学時代にチンプンカンプンだったことが、「何だ、こんなことだったのか」 と頭にすんなりと入ってくるかもしれません。忘却の彼方にあった公式を見れば、意外に高度な学習をしている子どもに驚きや頼もしさを感じるでしょう。そして、そのことを話題にしたり、子どもから教えられたり、ともに学んだり…。

子どもは親が一緒に考えてくれたり、親もかなわない難しいことを自分が学んでいることがわかったりすると、 もっとがんばろうという気持ちになります。親の失敗や苦労話は、子どもの学習意欲をより刺激してくれます。 「勉強をやれ、やれ」というよりずっと効果的です。子どもの教科書をちょっと拝借、 再学習をしてみませんか。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
「努力=良い成績」とならないことも事実です。結果はともかく、努力した過程が大切です。「今度こそは…」の「こそ」が大切なのです。

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(14)勉強さえしてくれればいいのですか

十五の春はうまくいったのに、あとは伸びない人もいます。親の教育熱に支えられて、 勉強オンリー。早く花が咲いたのはいいけれど、そこでおしまい。成績がいいという 自負心があればあるほど、挫折感は大きくなります。

日本の経済は、威勢のいい右上がりから、急カーブで下がり、混乱がおきています。 景気でも勉強でも、ゆるやかに伸びていくのが、幸せです。しかし、それにはそれなりの準備が必要です。学力をつけるには、その基礎となる力を身につけさせなければなりません。

そのためには、家族の一員としての役割分担をきちんと果たさせるのが近道です。例えば、 休日に家族みんなの洗濯をするというのもいいことです。どれから洗うか仕分けをしたり、 しわにならない干し方を考えたり、取りこむタイミングを考えたり、洗濯一つとっても、 たくさんの工夫を要します。計画、実行、評価という一連の作業が含まれているのです。もちろん、 汚れたものがきれいになって、家族からも喜ばれます。こうして家族の一員としての自覚も育ちます。

これが、実は見えない学力となって蓄積され、学習効果を上げる原動力になるのです。 しかも、「生きる力」もあわせてついていきます。急がば回れというでしょう。 見えない学力をしっかり身に付けさせ、見える学力が花開くのをゆっくり待ちたいものです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子育ての要は、じっくり待つこと。「早く○○しなさい」の口癖は、返上しましょう。 「忍の一字の我慢くらべ」これが実は大事です。

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(15)クラブ活動から学ぶもの

クラブ活動は、中学生にとって大事な活動の一つです。自分の好きなことを精一杯取り組むことは、それ自体が意義のあることです。

自分なりの目標を達成しようとする努力の過程は、積極的に自分の人生を切り拓く力を育てるからです。

最近の子ども達は、人とのかかわりを面倒くさがり、ネットやゲームをして過ごすなど、一人でいることを好む傾向があると指摘され、 その弊害も様々言われるようになってきました。そのような状況の中、 協調と協力が基盤となるクラブ活動は、望ましい人間関係を学ぶ場としても重要な役割を果たしています。 年齢の異なった集団活動の中では、同学年での励まし合いだけでなく、 先輩と後輩としてのあり方やマナーも学ぶことができます。

また、クラブ活動を通して、「あいさつができるようになった」とか「がまん強くなった」など、 礼儀正しさや精神的なたくましさが育ってきたという声を良く聞きます。結果として身についた 「目に見えない財産」です。

対外試合の結果やコンクールの成績だけでなく、子どもが努力している姿に目を向け、成長を認め、励ますことのできる親でありたいものです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
つい熱が入ると、自分の体力以上にがんばってしまいがちな中学生。疲れているなと思ったときには、 無理にでも休養させることが必要です。

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