3.小学校入学時期の子育て④

~子育てワンポイントアドバイス~

(16)子供の視点で

6歳頃の子どもの目の高さは、ほぼ90センチ。子どもは、この高さで一生懸命、 物事を見つめ、とらえ、挑戦しながら、体も心もどんどん成長していきます。

はじめに「行動ありき」です。やってみて、わかるのです。子ども同士で活動する中から得ることは、 想像以上に多くあります。

ところが、少子化時代を反映してか、今の子どもたちには遊び友だちも不足しがちです。ですから、大人は意図して子ども同士のふれあいの場を広げていかなければなりません。子どもはそのふれあいの中から様々なことを学びます。耐えることも協調することも学びます。これらは、親の過度な保護と干渉の下ではなかなか育たないものです。本当に危険なこと以外は口も手も出さず、陰からそっと見守っていきたいものです。トラブルを恐れず、子どもをどんどん外へ出し、仲間づくりをさせましょう。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもの頃からいろいろな人々と出会い、ふれあい、ぶつかったり、わかりあったりしながら人間関係のあり方を身につけていかなければなりません。 いわゆる「人浴び」が大切になってきます。

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(17)つかず離れずの子育てを

親に似ない子どもなんて、一人もいません。時代がどんなに変化しても、子どもは身近にいる親を知らず知らずのうちにお手本にして育ちます。

しかし、いくらお手本だといっても、いつまでも赤ちゃん時代のように四六時中一緒では困ります。子どもの成長とともに一定の距離を保っていかなければなりません。

小学校に入学しようとするこの時期には、「つかず離れず」の関係が大切です。干渉し過ぎは子どもの自立を弱めますし、逆に放任すれば、人間として身に付けるべき常識までをないがしろにしてしまうおそれさえあります。つかず離れずのバランスが求められます。子どもは行動が先行し、そして良く失敗もします。しかし、失敗は貴重な経験で、次の成功へと結び付きます。親としては、手をあまり出さずに、子どもがどんな反応をするのかじっくりと見守りたいものです。 困っているときに救いの手が差し伸べられるような状態になっていればよいのです。ここでも「つかず離れず」が大事です。

「つかず離れず」の加減は、それぞれの家庭によっても、また、子どもの発達によっても異なります。我が家流の距離の置き方を大人たちが意識して子育てにあたる必要があります。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
親に心のゆとりがなければ、つい口や手を出し、子どものやる気の芽をつんでしまうことがあります。「待ちの心」をもちたいものです。

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(18)いっぱいほめて、やる気アップ

小学校入学前の子どもたちは、善悪の判断は一応できています。 しかし、考えるよりも行動する方が先で、それが、結果としていたずらとみなされ、 注意されたり、叱られたりということがひんぱんに起こります。「結果、オーライ」 ということもありますが、むしろ、その逆の方が多いと言えます。

でも、そんな時に頭ごなしに怒ってしまったらどうでしょう。せっかく、良いことをしようと思っているのに、うまくいかない場合だってあります。一方的に怒られるだけでは、やる気をなくします。子どもにだって感情があります。

子どもの言い分をしっかり聞いてあげてください。良いところをみつけたらいっぱいほめてあげてください。どんなささいなことでも、タイミング良くほめましょう。ほめられればやる気につながり、やがて前向きに行動する子どもに育ちます。

ほめるときには、言葉だけでなく、笑いかけたり、抱きしめたりといったスキンシップも効果的です。「ママもうれしい」といった気持ちを子どもに伝えたいものです。

「7つほめて、3つ叱れ」この位がちょうどいいかなと思いながら、子どもに接してみませんか。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
わが子の短所だけに目を向けないで、長所を探してみませんか。長所を見つけたら、それをどんどん伸ばしましょう。良いところを一つ伸ばせば、他にも良い影響を与えます。 プラス思考でいきましょう。

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(19)先生と話そう

一日のうちで何時間、学校にいるか考えてみたことがありますか。

朝8時から午後3時までを学校で過ごすとすれば、1日の3分の1は学校にいることになります。起きている時間の半分を学校で過ごしているのです。その学校での子どもの様子を家族の皆さんは、ご存知ですか。

学校での子どもの姿は、家の中とはかなり異なる場合もあります。

子どもは、家庭内の人間的なふれあいの中で育てられるだけでなく、友だちや先生方とのかかわりの中でも大きく成長します。ですから、家庭から見た子どもの様子と、学校の中での子どもの様子を互いに知っておくことは、親にとっても教師にとっても大切です。

学級懇談会の中では沈黙状態だけど、帰る間際の下駄箱のところで、ああでもない、こうでもないと情報交換をしているママ達がいます。なかなか、いい雰囲気で話したり、子育ての本質にせまる討論をしたりしていることもあります。その話の輪の中に先生にも参加してもらったらいかがでしょう。

「先生がいると、話しにくい」とか「子どもの短所を話せば、評価に影響するのではないか」 などと考えてしまうのかもしれません。でも、そんな心配はいりません。「子どもたちを健やかに育てていこう」という目的は、親も教師もいっしょです。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
先生との話し合いの場は、家庭訪問や学級懇談会の場だけではありません。ちょっと気になることがあったら、どんどん先生に声をかけてください。先生の気心が知れるほど語り合うことができればしめたもの。

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(20)PTA活動から生まれるもの

子どもの健やかな成長を願って、学校・家庭・地域社会のより積極的な連携が求められています。PTAは、まさに学校・家庭・地域社会の三者の接点に位置し、 三者連携の核として働くことのできる組織です。

「PTA」という言葉は誰でも聞いた事があるでしょう。 それでは、PTAとはいったいどんな団体なのでしょうか。PTAは、 「父母(parent)と教師(Teacher)とでつくられた会(Association)」の略称です。

PTAは、子どもの健全な成長を図ることを目的とし、また、その活動を通して自己を高めていく団体です。 子どものためになる活動をしながら、親として様々な経験を積んでいく場です。 そう考えれば「役員になるのが面倒だ」とか「PTA行事をこなすのが大変」などとは、言っていられないはずです。

活動を通して、親同士が知り合えば、他の家の子どもたちの様子もわかります。 貴重な情報源ができるのです。子ども同士に何か変わったことが起きれば、 情報網を通じてすぐに変化をキャッチできますし、対処することもできます。

また、親同士、地域や職種、年代をこえた新しい出会いも生まれます。 子どものため」という目的のもと、新しい広がりができることは、大人にとっても大きな収穫です。

年に1回か2回のPTA行事に頼めれ仕事で参加するのではなく、親同士の交流を楽しむためにPTA活動に参加してみませんか。 親が手を取り合えば、子どもの世界も変わります。

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