3.小学校入学時期の子育て②

~子育てワンポイントアドバイス~

(6)からだの発達2

小学校3・4年生の頃になると、体の発達に男女差も出てきます。

身長で見ると、平均すれば小学校3年生までは男子の方が背が高く、4年生位で男子も女子も大体同じになり、5年生になると女子の方が高くなっていきます。

また、女子は体つきにも変化が現れます。3年生にもなると胸が少しずつふくらんだり、丸みをおびた体になったりする子どもも出てきます。初潮がおとずれ、ママになるための準備も始まります。近年、この変化は低年齢化してきています。一方、男子は大人になるための準備が女子より遅れてやってきます。

発育に個人差が見られるようになるのも小学校3・4年生の頃です。 子ども自身も友だちと比べ、不安に感じるような心の変化も出てきます。体の成長と心の成長にアンバランスを生じがちなこの時期の子どもを温かく見守り、悩みを聞いてあげることが大切です。

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(7)早寝早起き、これこそ大事

集団生活で、最も必要なのは基本的な生活習慣が身に付いていることです。

「食事」「睡眠」「排泄」「衣服の着脱」「手洗い」などの習慣は、 どの子どもにとっても大切です。その中でも、早寝早起きを身に付けさせることが大事です。 早く起きれば朝ごはんもきちんと食べるとこができます。食べれば活動するエネルギーも生まれます。つまり、生活のリズムができてくるのです。

ところが、夜ふかしをしたり、親の都合で夜遅くまで子どもを連れ歩いたりすると、朝、すっきり起きることができないので、翌日の生活リズムに乱れが生じます。 それが、身体の調子をくずすもとにもなります。

大人に合わせた生活リズムではなく、子どもに合った生活リズムをつくっていくことが大切です。

~入学前のしつけ・習慣チェック~
○早起きの習慣が付いている。
 (午前6時~6時半ぐらい)
○朝ごはんを必ず食べる習慣が付いている。
○顔を洗い、朝食後、歯を磨く習慣が付いている。
○朝トイレに行き、排便をする習慣が付いている。
○早寝の習慣が付いている。
 (午後8時~8時半ぐらい)
○一人で洋服を着たり脱いだりすることができる。
○手を洗い、うがいをする習慣が付いている。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
小学校1・2年生の子どもにとって、十分な睡眠時間は、約10時間と言われています。 「子どもが寝る時刻」の目安を家族で決めてみませんか。

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(8)良い食習慣で丈夫な体

入学と同時に学校を中心とした生活リズムが生まれます。さらに給食によって1日の食生活も学校の影響を受けるようになります。ですから、1日2回の家での食事と給食をトータルして、栄養のバランスを見ていく必要があります。そのためには、学校給食の献立表に目を通すことも大事です。

1日に必要な量の目安は、図に示した通りですが、各家庭において目安通りに摂られているかどうかは疑問です。脂肪や塩分、糖分の摂り過ぎ、カルシウムやビタミン不足など、子どもたちの食生活は乱れがち。それに伴い、生活習慣病の予備群も増えつつあります。その予防という点からも、米飯を中心とした和食は理想的です。

食事量だけではなく、食品の組み合わせについても自分で考えられるよう、働きかけをする必要があります。

「食は育つものである」と同時に「育てるもの」でもあります。何のことはありません。食事の手伝いをさせながら、子どもに語りかけをすればいいのです。

~1日に摂りたい量の目安(低学年)~

【たんぱく質を多く含むもの】
 ○肉類40g[とりささみ小1本]
 ○卵類40g[Sサイズ1ケ]
 ○魚介類40g[切身1/2切]
 ○豆類50g
【カルシウムを多く含むもの】
 ○乳類[ミルク200ccまたは無糖ヨーグルト140cc]
 ○小魚類5g[しらす干しや桜えび]
 ○海草類5g
【ビタミンA・C・繊維を多く含むもの】
 ○色のこい野菜100g
[にんじん小1本、ほうれん草の葉1枚、ピーマン1ケ]
【ビタミンC・繊維を多く含むもの】
 ○色のうすい野菜200g
 [たまねぎ小1ケ、きゃべつ葉1枚、きゅうり1本]
 ○果物150g[りんご中1/2ケ]
【糖質を多く含むもの】
 ○穀類[ごはん600g(どんぶり軽く3杯)]
 ○芋類50g[じゃがいも1/2ケ]
 ○砂糖5g[小さじ1]
 ○その他豆類5g
 ○調味嗜好品50g
 [ソースやしょうゆ、ケチャップetc]
【脂肪を多く含むもの】
 ○油脂類15g
 ○種実類3g[ごま小さじ1]

あくまでも目安です。小さい子、大きい子、動く子、静かな子、それぞれで若干違います。

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
「ごはんの量を少なくして、その分だけおかずやおやつにまわそうか」と考える人もいるかもしれません。バランスが大切です。おかずやおやつの食べ過ぎには注意しましょう。

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(9)大事な朝ごはん

最近、朝ごはんを食べずに登校する子どもが増えています。朝寝坊をして食べる時間や食欲がないといった子ども、朝ごはんを食べさせるよりも寝かせておいた方がよいという親。 朝ごはん抜きは当たり前という習慣。朝食抜きの理由は様々です。

何はともあれ、朝は一日の始まり、朝食抜きでは、イライラするだけでなく、集中力や理解力も低下します。また、栄養素の不足により、体の成長や健康面にも影響を及ぼします。パワー全開の学校生活と健康な体力づくりのためにもバランスのとれた朝食は大事です。

前の日に「洗う、切る、下茹でする」などの工夫をすれば、朝食の準備が楽になります。

~お手軽朝食メニュー~
【野菜たっぷり卵雑炊】
 残りご飯に野菜をたっぷり…コンソメで味を整え卵を
 ポーン!!
【納豆丼】
 あつあつのご飯に納豆と刻んだほうれん草、チーズ、
 しらす干をトッピング
【サンドウィッチ】
 ハム、ベーコン、ゆで卵なんでもはさんじゃえ!
 フルーツヨーグルト和えも添えると、カンペキ!

◆◇ワンポイントアドバイス◇◆
子どもには、早寝早起きの習慣をつけましょう。ゆとりをもって、朝の食卓に向かわせれば、食も進みます。

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(10)モリモリ、ゴックン!!食べるの大好き
給食の時間は、子どもにとっては大きな楽しみ!でも、入学して間もない頃は、限られた時間内で食べることが大変だと感じる子どももいるでしょう。食べ物に好き嫌いがあれば、なおさらのこと。給食がいやで学校にも行きたくないなんて言われたら、さあ、大変。

給食でつまずかないためにも、それぞれの家庭で、食事についてもう一度見直してみませんか。

◆ポイント1
「早く食べなさい、残さないで」と言う前に、食べられる量だけを盛り付けてみませんか。ペロッと食べたらほめるのが一番。嫌いなものだって、ちょっぴりでもはしをつけたら、大げさにほめてあげましょう。だんだんに量を増やせばいいのですから。
◆ポイント2
食事の場面だけではなく、買い物、調理、盛り付け、後片付けも一緒にやってみませんか。料理するにも手がかかることがわかれば、感謝の気持ちもわくでしょう。 調理だってできるようになります。食品のバランスも意識するようになれば、しめたもの。
◆ポイント3
親の好みで偏った食生活をしていませんか。食べたことがないものが給食に登場したら、口に入れるまで、相当の勇気が必要です。家庭の食卓で様々な食品に出会っていれば、給食時の心の負担は軽くなるでしょう。

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