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すこやかMAG

すこやかマガジン第912号

2月27日配信

突然ですが、1つ1,000円。
この値段、何の値段だと思いますか?
最近よく耳にする「キャベツ」ではではなく、「白菜」でした。さすがに手を出せませんでした。そんなある日。娘が久しぶりに帰省してきたので、肉料理にしたところ、娘が「お肉、久しぶりだ~、うれしい!!大学生にとってお肉は高級品なんだよ~」と言うのです。昨今の物価高に加え、天候の不順による野菜の不作…。我慢しようと思うものが増えているのだなと思う今日この頃です…。

我慢について最近考えていることですが、皆さんは、「体験格差」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

先日行われた「教育振興運動60周年記念大会」の記念講演の中で、講師の鈴木みゆき氏が、「体験格差」(今井悠介著 講談社)を紹介しました。

著者の今井氏が代表理事を務める「公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン(CFC)」は、子どもたちが将来の選択肢を広げられるような幅広い体験機会が保障されている、やりたいと思ったら手を伸ばせる社会を作りたいという願いのもとに活動を展開されています。そのCFCが2022年に行った全国調査によると、世帯年収300万円未満の家庭の子どもの3人に1人が、直近1年で学校外での体験が「ゼロ」でした。年収600万円以上の家庭と比べると、2.6倍です。親自身の子どもの頃の体験が「ゼロ」で、その子どもも「ゼロ」だった割合は5割を超えていたそうです。経済格差だけでなく体験格差も連鎖し、固定化している傾向にあるとのことでした。
※詳しく見たい方はこちらから見られます。
  https://cfc.or.jp/wp-content/uploads/2023/07/cfc_taiken_report2307.pdf

ノンフィクション作家の河合香織氏が、7月7日の毎日新聞コラム「時代の風」で、「体験格差が複雑なのは、その理由が経済的な問題だけではないことだ。収入はあっても、子ども自身の時間が捻出できないケース(受験のための入塾時期の低年齢化、長期休業は勉学に時間を充てる等)もある。 ~中略~その背景には、私たちの社会は体験よりも学習を重視しがちだという価値観の問題もあるのではないか。~中略~体験は子どもの*非認知能力にも関係すると言われていて、人生を豊かに過ごすための武器になりうる。体験の重要性を理解し、社会で支える仕組みが必要であろう」と語っています。
(*テストの点数や偏差値、IQなどの数値で表せる「認知能力」とは違い、数値では表せない、これからの時代を生きるため、幸せな人生を切り拓くために必要な能力のこと)

子どもたちには、「人生を豊かに過ごすための武器」をもって大人になってほしいですね。

岩手県では、教育振興運動推進プラン(2024~2028)で「体験活動の充実」を全県共通課題の1つとして掲げています。岩手県の大人が本気になって子どもたちの体験を支えていこうということです。私たち推進センターは、体験の重要性の理解を高める、また、体験活動や学習活動を支える人材・ボランティア育成の視点を取り入れた研修会を行うことで、子どもたちが人生を豊かに過ごすための武器を持たせることができる社会の構築への一助になれたらいいなと思います。

お肉を買うのを我慢している娘に、果たして、「人生を豊かに過ごすための武器」を親として持たせることができたのかどうかは、まだ分かりませんが、自分の考えがあるのだなという姿を見ていると、案外、持っているのかもしれません(^^)

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