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すこやかマガジン第907号

 みなさん、こんにちは。年が明けて、2週間余りが経ちました。子どもたちの冬休みの宿題や手伝いの取組状況はいかがだったでしょうか。正月が過ぎると、親も気持ちが焦り始め、子どもがきちんと宿題をやっているのか気になりますね。私もそうです。今回は、宿題などに取り組ませるときにヒントにしているアドラー心理学の考え方をご紹介します。おかげさまで、第904号「共同体感覚」で触れたアドラー心理学について、反響がありましたので、再度アドラー心理学の考えをもとに配信いたします。

 よくこんなことがあります。宿題があることは子どもも親も分かっている。ある日、子どもから「遊びに行っていい?」と聞かれる。その時、ある親は「もちろんいいよ」と許可を与える。「宿題をやってからね」と条件をつける親もいるでしょう。または、「遊んでいる場合じゃないでしょ」と遊びに行くこと自体を禁止する親もいます。多くの場合、親が遊びに行く許可を出せば、帰ってきてからもなかなか宿題をやらずに親をイライラさせる。宿題をすることを強制した場合は、子どもはふてくされた顔で机に向かうことが多いような気がします。

 アドラー心理学では、「これは誰の課題なのか」という観点から物事を考えます。子どもが宿題をするのかどうか、遊びにいくかどうかは、「子どもの課題であって、親の課題ではない」とアドラー心理学では考えるのです。親が「宿題をしなさい」と命じるのは、他者の課題に対して土足で踏み込む行為となります。自分の課題と他者の課題を分けて考えること、これが「課題の分離」です。

 親の課題は「宿題をするか、遊びに行くかは自分で決めていいんだよ」と教えること。子どもが決めたことを尊重し、「困ったときは、いつでも支えるからね」というメッセージを伝えておくことです。そうすることで子どもは、「自分の責任において、自分の人生は自分で決めること」を少しずつ学んでいきます。

 何気ない日々の宿題や手伝いを自分で決めさせること、子どもが躓いたときはいつでも支える準備をし、近すぎない距離で見守ること、このことが私たち親や教師がするべきことだということを、私はアドラーから学びました。

 部活、受験、就職、結婚等、子どもたちは、これから様々な場面で選択を迫られるでしょう。アドラーの言葉に印象に残るものがあります。「私は、あなたの期待に応えるために生きているのではない」、言い換えれば「子どもは、親の期待に応えるために生きているのではない」と読み替えることもできます。

 何気ない宿題を通して、日々親としての力量が試されているということをつくづく考えた冬休みでした。

「課題の分離について」はこちら
https://www.cocolabo.me/adler-kadainobunri/

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