すこやかマガジン第902号
ネットの使い過ぎは・・・
先日、オーストラリア議会で「16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止」する法案を可決しました。これは世界でも例を見ない取組であると報じられました。この法案が出された背景には、オーストラリア国内で子どもたちの日常生活や心の健康を害することへの心配や、悪質ないじめ・性被害にあうケースが相次ぎ、保護者を中心に規制を求める声が高まったことがあります。
このような子どもたちのスマホをはじめとした情報機器の使い方についての懸念から法制度化しようとする動きはフランスやイギリスでも制限を設ける法律が制定されているほか、アメリカでは州により利用規制の法律を制定しているところもあります。また、カナダやノルウェーも法案を検討している最中です。オーストラリアではこの規制に対し、賛否両論のようですが、皆さんはどう感じるでしょうか。「日本はそんなにひどくない」と思っていますか?
文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、パソコンや携帯電話などによるいじめの件数が24,678件で、平成27年度の9,187件から増加し続けています。また、警察庁によるとSNSに起因する被害児童数は令和5年度は1,665件とあったとのことです。これを少ないと思いますか?
皆さんのご家庭では、ネットの使い方について子どもと話し合う機会を設けているでしょうか?一日のゲームで遊ぶ時間、ネットでやり取りするときに注意することなど、ご家庭でのルール作りはしていますか?一度話したから大丈夫、と思っていませんか?子どもは面白いと思ったことはいつまでもやろうとするもの。繰り返し、話し合いながら、子どもが自身でコントロールできるように促していきましょう。親としてどのように教えたらよいか分からないというときは総務省の運営する「上手にネットと付き合おう!安心・安全なインターネット利用ガイド」(https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/)をご覧下さい。また、すこやかマガジン第896号「スマホに子守をさせないで!」でも紹介した、携帯電話会社3社の情報提供ページも参考になるかと思います。
「子どものデジタル脳完全回復プログラム」(ヴィクトリア・L・ダンクリー著)前書きの中で監修者の川島隆太(東北大学加齢医学研究所所長)先生は「スマホやタブレットを使う子どもの脳は『発達が止まる』」と書いています。さらに本の内容では、子どもの脳が壊れることにより
・物事に集中できない、すぐに気が散る
・突然キレる、泣きわめくなど、感情のコントロールができない
・人とうまくコミュニケーションが取れない、友達ができない
・発達障害やうつ病、双極性障害を発症しやすい
など、著者の治療の経験から得た深刻な問題が書かれています。スマホを使いすぎるとどうなってしまうのか、詳しく知りたい場合はぜひご一読ください。
参考文献
「子どものデジタル脳完全回復プログラム」(ヴィクトリア・L・ダンクリー著)飛鳥新社
参考資料
令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果 概要(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20241031-mxt_jidou02-100002753_2_2.pdf
R5講演資料 インターネット利用に係る子供の犯罪被害等の防止について(こども家庭庁)
https://www.npa.go.jp/policy_area/no_cp/uploads/R5kodomo.pdf
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