すこやかマガジン第890号
2024年9月12日
子どもの絵は心の表現
最近話題のミステリー小説を読んでいたら、こんなくだりがありました。「ひし形の絵を見て真似して描いてくださいと言われたら、大人は簡単に描ける。しかし、小さな子どもがひし形の絵を見て描くとギザギザの線になることがある。実はこのように描く子は多く、『これ、触ったら痛そう』という、ひし形の先のとがった部分を指で触ることを想像して、そのときの『チクチクとした痛み』を絵で表現したのだ。大人は目に見える『実物』を絵に描くことができる。しかし、子どもは頭に浮かんだ『イメージ』を描く。『子どもはみんな芸術家』などと言ったりするが、あながち間違いではない」
参考 https://x.com/freakscafe/status/1398078032846286852
小説の先がどうなるかより、このことが気になってしまいました。「見たとおりに描けることが大切」と思いがちですが、「感じたことを表現する力を伸ばすこと」の方が大切なのではないでしょうか。
南九州大学・子ども教育学科・美術教育研究室の古賀隆一教授はこのように述べています。「小さいお子様をお持ちのご両親、 幼児の絵は分かりますか。子どもの絵(らくがき)は、 自身の『心』を表現しています。子どもは『遊び』が仕事ですから、絵は教えることはできません。自由に描ける環境と、描く『遊びの過程』を大切に」
大人の尺度で絵の描き方を教えたり 批判したりすると、子どもは描くことをやめてしまうのだそうです。それは、感性の芽を摘み取ることになりかねません。大人の概念を押し付けられた子どもは、絵の中に心の表現を出せなくなります。ですので、不要になったノートや裏紙等に落書きを勧め、その落書き(楽描き)を親子で楽しく出来る(面白がる)といいそうです。何も言わず見守り、子どもにお話を聞くゆとりを持つ。干渉しないことと静かに見守るコミュニケーションが大切なのだそうです。
『子どもの絵は、 教えるものではなく育てるもの』心にとどめておきたいですね。
参考 https://www.nankyudai.ac.jp/topics/12908/
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