すこやかマガジン第884号
2024年7月25日
消えた赤チン
6月のとても暑かった日に、車から降りてぼ~っと歩いていたら、駐車場のパーキングブロックにつまずいてしまいました。何とか転ぶまいと、態勢を立て直すため数歩頑張ったのですが、“おっ とっ と”の3歩目で、見事に転びました。しかも勢い余って1回転しました。「痛い…何より恥ずかしい…駐車場の隣がいないスペースだからといって、(夫が)車を寄せすぎて停めたから、つまずいたのでは…いや、ぼ~っとしていた自分が悪い…それにしても近くを歩いていたあの人は、見事に知らんぷりだったわ…」など、複雑な思いを抱えながら店内のトイレに入り、「昔はすぐ消毒液をつけていたけど、今の消毒方法は確か水道水で洗い流すのよね」と、うろ覚えの知識を不安に思いながら、傷口を洗いました。「そういえば小学生の頃は、傷といえば『赤チン』だったな、いつの頃からか見かけなくなったな」と思い出し、気になったので調べてみました。
『赤チン』の正式名は『マーキュロクロム液』で、有効成分は有機水銀化合物です。有機水銀ですが毒性は低く、消毒薬として安心して使われてきたのだそうです。確かに赤チンを塗った時、角度によってギラっと光ったのを今でも覚えています。なぜ光るのか疑問に思っていましたが、あれは水銀のきらめきだったのか…。
しかし、水銀に関する水俣条約が平成29年に発効し、「水銀による甚大な被害を経験した国として、環境保全対策を強化するとともに、政府等が一体となって水銀対策に取り組む」ということになり、2020年末で水銀温度計や赤チンなどが製造・輸入禁止となって赤チンが市場から完全になくなったということです。
ちなみに、ケガを早くきれいに治すコツは『湿潤療法』。傷は十分に洗い流す(水道水が最適)、傷は乾かさない、カサブタをつけない、だそうです。カサブタは傷を守るためだと思っていましたが、細菌を通してしまうのが欠点で、傷が深いと治るまでに時間がかかり、そのうちカサブタの下で細菌が増殖して感染する危険があるのだそうです。ケガの状況に応じて、創傷被覆材(そうしょうひふくざい)を使用してみても良いかもしれませんね。創傷被覆材は各メーカーから様々出されています。
※創傷被覆材…傷口を適度な湿潤状態に保ち、傷の治りを早める医療用具
湿潤療法について https://k-towa-clinic.com/blog/50.html
カサブタについて https://www.ekinan-clinic.com/publication/142
切り傷の応急処置 https://asakusabashi-mo.jp/blog/how-to-repair-a-cut
これから夏休み、外遊びなどでケガをするかもしれません。昭和の時代は「ツバでもつけておけ!」「赤チンぬっとけ!」でしたが、令和の時代は、正しくケアしてあげてくださいね。
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