すこやかマガジン第882号
2024年7月11日
寝る子は育つ
みなさん、こんにちは。
先日、息子に「どうすれば背が伸びるのか?」と質問されました。よりよい運動習慣、望ましい食習慣、規則正しい生活習慣など、身体を形成するために必要なことはたくさんありますが、私は、「たくさん寝ることだよ」と答えました。なぜかというと、最近ある研究者の研究を知ったからです。
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(ⅢS)機構長の柳沢正史教授の研究です。2023年のノーベル賞候補者にもなり、メディアでも取り上げられました。柳沢教授によると、「寝る子は育つ」という言葉は科学的に正しく、
「ノンレム睡眠の中でも最も眠りが深くなるステージ3が、子供の成長に大きな役割を果たしている。ステージ3では、脳の『脳下垂体』という場所から『成長ホルモン』が分泌され、一晩に数回あるノンレム睡眠のうち、初回のノンレム睡眠では特に分泌量が多くなる。その時に、骨の伸長や筋肉の増大、けがの治癒などが、成長ホルモンによって促進される。健やかな成長に、深い眠りは欠かせない」ということが明らかになったそうです。
夜遅くまで、テレビやスマートフォンを視聴したり、徹夜で勉強したりというのは人間の体のメカニズムに逆らっているということになるのですね。
十分な睡眠の効果はまだまだあります。
「勉強も運動も眠ると記憶に残りやすくなる」
学習後すぐに眠ると、記憶の固定に効果があるという実験結果があり、単語を覚えるようないわゆる勉強の記憶だけでなく、スポーツや楽器の演奏技術などの運動の記憶も、眠ることで残りやすくなるそうです。アメリカのバスケットボールの選手である大学生を対象に実験を行ったところ、バスケットボールのシュートの決まる確率が上昇したり、短距離走のタイムが向上したりという驚きの結果も報告されています。
睡眠が大切なのは、子供だけではありません。日本は世界で一番睡眠不足の国だとのこと。私たち大人も十分睡眠を取り、心身ともに万全の状態で仕事や子育てをしたいものです。
岩手県教育委員会が取り組んでいる「60(ロクマル)プラスプロジェクト」の中にも「規則正しい生活習慣の形成」というものがあります。家庭での睡眠時間を改善することは、規則正しい生活習慣を形成し、さらには頭と心と体にいい影響を与えます。皆さんもご自身の睡眠を見直してみてはいかがでしょうか。
息子も十分に睡眠を取った翌日は、学校の授業に集中し、学習したことをたくさん教えてくれるようになりました。
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(ⅢS)のホームページはこちら
https://wpi-iiis.tsukuba.ac.jp/japanese
「60(ロクマル)プラスプロジェクト」はこちら
https://www.pref.iwate.jp/kyouikubunka/sports/1058330/index.html
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