すこやかマガジン第883号
2024年7月18日
共同養育
皆さんは、覚えていますか?
5月30日配信の すこやかマガジン第876号【幸せですか?】の最後に、「こどもの幸せ」のためには「共同養育」が大切とふれていたことを…。
【京都大学大学院 人間・環境学研究科 柴田 悠 教授 の基調講演より】
~人類は、脳の発達に30年かかる種ということもあり、親だけでは育児ができないので、村(共同体)全体で育児をしてきました。それが、【共同養育】です。戦後、核家族化が広がり、ワンオペ育児、孤立育児が多くなりましたが、それは、人類のもともとのやり方とはかなり違った育児のやり方で、育児鬱、育児自殺、ネグレクト、虐待等の背景にもなっています。そして、子ども期に虐待等のつらい体験や非常にストレスの高い体験をすると、将来に広範な不利(人間関係に困難を抱えがち、病気がち、鬱になりやすい、自殺念慮が高まりやすい、学歴が低くなりやすい、非正規雇用になりやすい、貧困になりやすい、孤立しやすい、我が子へのネグレクト、幸福感が下がる…)が生じやすいということが全国調査でわかっています。子ども期の逆境体験をいかに予防していくかが重要であり、その鍵は人類のもともとの育児のやり方である「共同養育」にあります~
子どもの成育環境として、愛着形成が重要なのは、皆さんご存じだと思います。
※愛着形成とは、特定の人との関係を通じて形成される心理的な絆を指し、生きていくために必要な安心感や信頼感の土台となるもの。
この愛着を形成するのは、必ずしも親や祖父母等の血縁者である必要はないということ、また、愛着形成の相手が複数(母親との愛着だけよりも、父親、その他保育士などの大人との愛着の全体)である方が安定し、子どものよりよい発育につながるということが研究で明らかになっているそうです。これには、驚きました。
私自身、幼い娘を連れて単身赴任をしていた頃が、今で言う「ワンオペ育児」でした。保育園の先生方に娘を育ててもらったと思っています。家では食べられなかった食材が給食を通して食べられるようになったり、トイレトレーニングを卒業したり、抜けそうな乳歯を取ったり等々してもらいました。当時の私は、母親がやらなければならないことを保育園の先生にやってもらうなんて申し訳ない、役目を果たせないダメな母親だとばかり思っていました。私のように考えるお母さんたちは、少なくないと思います。
「それは、ダメな母親ではないよ(^^)/」と今の私なら言えます。子どもの成育に関わる人たちみんなが子育てに関わっていくこと【共同養育】で、親も子も幸せになり、幸せな親子が増えれば、社会全体が幸せになるのだと思います。「ワンオペ」と思っていた私の育児ですが、【共同養育】で、娘に愛着が形成されていたのだと、今、改めて思います。そんな娘も、この春、大学生になりました。関わったみなさんのおかげです(*^^*)
過去のすこやかメールマガジンは >こちら
☆子育てに関する悩みを一緒に考えます☆
子育て電話相談「すこやかダイヤル」 0198-27-2134
☆メルマガへのご感想、アドレス変更・配信停止はこちらへ(^_^)/
kosodatem@pref.iwate.jp
★==========================★
【発行・文責】岩手県立生涯学習推進センター
【HP】https://manabinet.pref.iwate.jp/
【X(旧Twitter)】https://twitter.com/manabinetiwate
★==========================★