子育て・家庭教育相談セミナーⅠ
実施日:令和6年9月6日(金)
事 業 報 告
「発達障がいと不登校について理解を深めるとともに、家庭への具体的支援や関係機関との連携のあり方を学び、支援者としての対応力を高める」ことを目的として実施しました。
【講師】 常磐大学 人間科学部 心理学科教授 秋山 邦久 氏
【講義】
「発達障がいと不登校にかかわる家庭支援と関係機関との連携のあり方」と題し、ご講義いただきました。評論家や観客のような見方をするだけでなく、子どもの将来に責任を持った支援者であることを自覚し、不登校という状態にはその原因によって様子を見ていればよいものから、緊急対応をしなければならないものまでさまざまであることを、常に押さえておく必要があるということを力説されていました。そして、適切な見立てに基づいた支援をするために、次の3つの側面から背景を探ることも大切であると話されていました。
生物的側面(子と保護者ともに)
発達特性、知的課題、身体的課題、精神的課題など
社会的側面(環境)
価値観・判断基準の変化、文化の違い、家族関係、
経済的課題、虐待など
心理的側面(行動)
社会行動の未学習・誤学習、対処行動の少なさなど
不適切な対応についても講義いただきました。
例として『あなたはイネーブラー化していませんか?』という問いを投げかけられました。イネーブラーとは尻拭いする人のことです。以下、イネーブリングの例です。
・仕事や学校を無断で休みそうなとき本人の代わりに連絡する
・本人の不始末の処理を代わりに行い、謝罪もする
・借金を肩代わりし、お金を支払う
・外で悪さをしないように家の中での依存行動を許している
また、行動連携の役割分担として『三項構造化』の説明がありました。憎まれ役(近くの神様より遠くの神様が適任)と受け止め役(遠くの親戚より近くの他人が適任)を分けることで、子どもの逃げ場ができること、そのためにも多職種、他機関との連携が必要であることも、具体例を挙げてお話しいただきました。
【事例研究】
参集の受講者からそれぞれ切実な悩みや質問が出され、秋山先生が一つひとつ丁寧に答えてくださいました。 発言内容に頷きながら皆さんで共有したり、つながりを持ったりするきっかけづくりとなりました。
【受講者の感想】
・不登校は病名でも診断名でもないということ、原因は医師による治療が必要なものなのかどうか、適切な見立てが大事であり、その子どもにあった支援ができるように支援者同士で協力し合いたい。
・不登校対応では学校に子どもを戻すためではなく、社会参画できるようにするのが目的であるということを踏まえてこれからの援助にあたりたいと思った。
・『見守りましょう』ではなく具体的な支援策を考え、行動を変化させていくという言葉にハッとさせられた。見守りという言葉に甘えていたところがあったなと反省した。
・今回の研修の中で、自分がイネーブラー化していないかという問いが特にも心に刺さった。良かれと思ってつい手を出してしまう、やってあげてしまうことが本人のためにならないということ、自分の職務(支援)範囲をちゃんと線引きすることの重要性に気づかされた。
【受講者の評価】
A (有意義)87%
B (どちらかといえば有意義) 11%
C (どちらかといえば有意義でない) 0%
D (有意義でない) 2%
【担当者から】
アンケート結果によると、内容に興味があって参加した方が9割だったことから、この講義のニーズの高さを実感しました。また、オンラインでの受講者が155名と圧倒的に多いものの、参集者からは「休憩時間や講義終了後に参加者同士で交流でき、つながりを作ることができた」との感想があり、オンラインの利便性は実感しつつも、参集の良さを改めて実感しました。
申し込みフォームはこのページの下側にあります。
実施担当:[生涯学習推進センター]

- 1 目 的
- 発達障がいと不登校について理解を深めるとともに、家庭への具体的支援や関係機関との連携のあり方を学び、支援者としての対応力を高める。
- 2 主 催
- 岩手県教育委員会
- 3 主 管
- 岩手県立生涯学習推進センター
- 4 対 象
- (1)青少年・家庭教育・子育て等の相談機関担当者
(2)県や市町村の家庭教育支援・子育て支援担当者
(3)社会福祉協議会の担当者
(4)学校関係者(市町村立小・中学校、義務教育学校、県立学校の教職員等や保護者)
(5)幼稚園・保育園・認定こども園等関係者
(6)放課後児童クラブ・放課後子ども教室、放課後デイサービス、子育て支援拠点事業関係者
(7)県子育てサポーター、NPO法人、子ども食堂関係者等
- 5 定 員
- 参集会場 200名まで
オンライン配信(YouTubeライブ) 無制限 ※参加申込者限定オンデマンド配信有
- 6 期 日
- 令和6年9月6日(金)
- 7 会 場
- 岩手県立生涯学習推進センター
〒025-0301 花巻市北湯口2-82-13
TEL 0198-27-4555 FAX 0198-27-4564
- 8 受講申込み
- 「まなびネットいわて」から申し込んでください。
【申し込み締め切り8月30日(金)】
- 9 日程
- 【開会行事】 9:50~10:00 (受付9:30~)
【講 義】10:00~12:00
「発達障がいと不登校にかかわる家庭支援と関係機関との連携のあり方」
講師:常磐大学 人間科学部 心理学科 教授 秋山 邦久 氏
【昼食休憩】12:00~13:00
【事例研究】13:00~15:00
「関係機関との連携のあり方」
講師:常磐大学 人間科学部 心理学科 教授 秋山 邦久 氏
【閉会行事】15:00
- 10 携行品
- 筆記用具、所属で使用している名札
※今回の研修会資料は「まなびネットいわて」特設サイト内に掲載します。受講者自身で資料を印刷、または、タブレット等にダウンロードの上、ご準備ください。
- 11 受講者旅費
- 派遣者にて負担願います。
- 12 その他
- (1)昼食は、各自ご用意ください。
近隣のコンビニまでは車で10分程度かかりますのでご注意ください。
(2)県立生涯学習推進センターまでの交通案内及び駐車場は、下記よりご確認ください。
[まなびネットいわて]>[生涯学習推進センター]>[アクセス]
(3)欠席の際は、岩手県立生涯学習推進センターまでご連絡をお願いします。
- 13 受講申し込み
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下記フォームに必要事項を入力し、[送信]をクリックしてください。後日担当者から確認のメールを差し上げます。(2~3勤務日以内)(入力いただいた情報は関係機関で受講に関係した処理のみに使用いたします)
※公立学校の教員の方は下記フォームでの申し込みと併せて「Plant」上での申し込み手続きを行ってください。> Plantリンク
※上の[送信]ボタンをクリックして、送信が完了すると、ボタンの下に「ありがとうございます。メッセージは送信されました。」と表示されます。繰り返し送信ボタンを押さないよう、ご注意ください。