放課後の子どもの居場所指導者研修会①
実施日:令和6年6月28日(金)
事 業 報 告
放課後子ども教室、放課後児童クラブ等の放課後児童対策に関わる指導者等の方々が、放課後児童対策に係る県の推進方針や子どもの遊びにどのように大人が関わるか、その基本や環境づくりについて学ぶ、資質向上と情報交換の機会となりました。
【行政説明】「放課後の子どもの居場所に係る県の推進方針について」
岩手県教育委員会事務局 生涯学習文化財課
主任社会教育主事 佐々木 透

昨年度で終了した「新・放課後子ども総合プラン」に引き続き、放課後児童対策の一層の強化を図るために、「こども未来戦略」における加速化プラン期間中の令和5~6年度に予算・運用等の両面から集中的に取り組むべき対策として取りまとめられた「放課後児童対策パッケージ」、また、それに伴う県の推進方針について、説明しました。
【講義・演習】
「『子どもが自ら遊ぶ』に大人はどう関わる?」
講師:一般社団法人TOKYO PLAY
代表理事 嶋村 仁志 氏
コーディネーター 神林 俊一 氏

「座っている席の向かい合った人と、あいこになるようにジャンケンします。お互いによ~く相手を見て、何を出しそうかよ~く考えてくださいね」というアイスブレイクから始まった研修会でした。相手を知ろうとする、感じようとすること、お互いの丁度いいを目の前の人と決めていくことが大事ということが、講義・演習の根底にずっと流れていました。それは、「『子どもが自ら遊ぶ』に大人はどう関わる?」の根幹であり、それを体感してもらうねらいがあったように思います。
~「遊ぶ」ことは、子どもの「いのちのしくみ」~

この「遊びのサイクル」が回っている限り、大人から言われなくても勝手に遊んで体を動かし、勝手に心を動かし、人間関係のレパートリーが増える。
このサイクルが回るような環境を作ること、関りをもつことが「子どもが子ども自身を育てる」支援である。子育て支援とか、家庭教育支援とかはあるが、「子どもが子ども自身を育てる支援」はない。子どもが自分で自分を育てていくためには、柔らかな土(=安心)が必要。その土こそが、大人であり、環境である。大人は「子どもが子ども自身を育てる」ための環境や関り(プレイワーク)について学ばなければならない。
※「遊び」とは、子どもがしたいことをすること。一人ひとりの子どもの意思とは別の目的やルールがあるものは「遊び」ではなく「活動」と言う。

午後に行った演習では、「子どもと関係ができている」とは、何を指してこう言えるのか、具体例をみんなで出し合いました。多い順にカテゴリー分けしてみると、
①会話・相談(してくれる)
②大人にとって都合のいい姿
③目に見えない感覚(波長が合う等)
④名前やあだ名で呼んでくれる
⑤物をくれる(手紙、似顔絵、折り紙…)
⑥スキンシップ(してくる)
このようになりました。②(注意を素直に聞いてくれる、職員の言いたいことを察してくれる等)について、「子どもが子ども自身を育てる支援」の視点に変換させるために、「自分が子どもだったら、こう思っている大人をどう思うか」という視点で見直してみる演習も行いました。「関係性は、近くなったり遠くなったりする中で段々とできていく。子どもと大人ではなく、人と人の関係性が」という講師の話に、気付きのある参加者が多かったのではないかと思います。⑥は、別な場所で性被害を受けている可能性もあるという話もありました。

【参加者の感想】
・コミュニティースクールと密接に関わって、なんとか子どもたちが皆いい居場所をもてるようにしなければならないと感じた。遊びについても自分の子ども時代に何をやったか何がおもしろかったかをまた思い起こしながら、子どもの遊びを見ていけたらと思った。
・遊びを通して、大人の関わり方がとても大切という事がわかり、とても勉強になった。早速、実践していきたいと思う。
・子どもの立場、相手の立場になって考えてみることがとても大事だと感じた。子どもとは言え、一人の対等な人間として見ること、興味をもって、相手が何を考えているか考えてみることから始めたいと思う。
・子どもの安心安全な居場所づくりはまだまだ整備されなければならず、職員の質を高めていかなければと考えさせられた。今の現場の課題、職員の課題等を共有し、子ども達が様々な経験ができるよう努力していきたいと思った。
・子ども目線で考えを深めることができた。自分の学童での立場を理解し、自分にできること、他の先生にできることを考えて、子どもにあった支援を行うことが大切だと感じた。
【受講者の評価】
A (有意義) 86%
B (どちらかといえば有意義) 14%
C (どちらかといえば有意義でない) 0%
D (有意義でない) 0%
【担当者から】
「遊びの時間に子どもは自分を見つける。放課後の時間は自分の人生を自分で決められる時間」等、考えさせられる深い話をたくさん伺うことができました。
申し込みフォームはこのページの下側にあります。
実施担当:[生涯学習推進センター]

- 1 目 的
- (1) 放課後子ども教室、放課後児童クラブ等の放課後児童対策に関わる指導者の資質向上と連携促進及び事業推進状況の情報交換・共有化を図る。
- 2 主 催
- 岩手県教育委員会
- 3 主 管
- 岩手県立生涯学習推進センター
- 4 対 象
- (1)放課後児童クラブ及び放課後子供教室、NPO法人等放課後の居場所関係者
(2)県・市町村教育委員会担当者、保健福祉部局担当者
(3)広域振興局放課後健全育成事業担当者
- 5 定 員
- 先着 80名
※50名を超えた場合、2会場(センター内研修室)での実施となります。
- 6 期 日
- 令和6年6月28日(金)
- 7 会 場
- 岩手県立生涯学習推進センター
〒025-0301 花巻市北湯口2-82-13
TEL 0198-27-4555 FAX 0198-27-4564
- 8 受講申込み
- 「まなびネットいわて」から申し込んでください。
【締切6月21日(金)】
- 9 日程及び内容
- 【開会行事】10:00~10:10(受付9:30~)
【行政説明】10:10~10:30
【講義・演習】10:30~15:00(昼食・休憩12:00~13:00)
「『子どもが自ら遊ぶ』に大人はどう関わる?」
などについて、講義やワークを通じて学びます。
〈講師〉一般社団法人TOKYO PLAY
代表理事 嶋村 仁志 氏
コーディネーター 神林 俊一 氏
- 10 携行品
- 筆記用具、所属で使用している名札、その他必要なものがある場合メールにて連絡します。
研修会資料は、Webサイト「まなびネットいわて」の特設ページに掲載します。受講者自身で資料を印刷、または、タブレット等にダウンロードの上、ご準備くださるようお願いします。
- 11 受講者旅費
- 派遣者にて負担願います。
- 12 その他
- (1)昼食は、各自ご用意ください。
近隣のコンビニまでは車で10分程度かかりますのでご注意ください。
(2)県立生涯学習推進センターまでの交通案内及び駐車場は、下記よりご確認ください。
[まなびネットいわて]>[生涯学習推進センター]>[アクセス]
(3)欠席の際は、岩手県立生涯学習推進センターまでご連絡をお願いします。
(4)寒暖に対応できる服装でお越しください。